WOWOW鑑賞


徐々に高まる興奮の名作

アンストッパブル


ある日、鉄道会社の新人車掌ウィル(クリス・パイン)はベテラン機関士フランク(デンゼル・ワシントン)と組んで貨物業務に就く。その頃、操車場では作業員のミスで全長800mの777号車が危険物を積んだまま無人走行を始める。777号車が徐々に速度を上げ都心のターミナル駅へと向かっていることを把握した操車場の責任者コニー(ロザリオ・ドーソン)は同じ線路上にいるウィルとフランクに避難を命じる。危うく衝突を逃れた2人だったが走り去る777号車を見送り事態の深刻さを知る。


トニスコ最後の監督作品を再見。初見時はスクリーン鑑賞で大興奮。大スクリーン・大音響の醍醐味をこれでもかと連発。未見の方には申し訳ないけど、これ絶対スクリーン。巧妙な脚本のアシストもあって、生涯ランクも上位確実なお気に入り作品。

2001年5月、オハイオで起きた「CSX8888号暴走事故」がモデル。調べたところ経緯もエピソードもほぼ同じ。無人列車の停止方法が事実とは驚き。そこにキャラの背景をうまく設定することで実話の臨場感とフィクションのドラマ性が絶妙ブレンド。



穏やかないつもの朝から始まる。手抜きから事故が発生。すぐ処理できるはずが少し勝手が違う。なんかヤバくね?…と深刻度もスピードも少しずつ上昇し、とんでもないことに発展。計算された展開で終盤はアドレナリンも大増量。この脚本がうますぎ。

加えて列車の重量感…いや、加えるどころかそれこそが本作の一番の魅力。トニスコ独特のカメラワークが列車の大きさをドーン! 劇場に地響きを起こす大音量の音響でさらにドーン‼︎ これを家庭で再現できたなら…近所からクレームが来かねない!


トニスコといえばワシントン。地下と地上の違いこそあれ「サブウェイ123」とは鉄道繋がり。本作では高速で走る列車を生身で移動するアクション要素もあり。フーターズの娘もいるミドル世代だけにハラハラドキドキ(さすがにダブルか?)。

本作相棒は太眉パイン。「スタートレック」の艦長といい「ワンダーウーマン」のカレシといいアメリカのおなじみキャラが多い。こっちで思っている以上の人気者なのかも。事故対策の司令塔ドーソンがまたカッコよい。頑張る中間管理職!


「これは面白そう」…たいていはトレーラーでそう感じてスクリーンに足を運ぶ。本当に面白いかは観てのお楽しみ。お金を払っている以上ある種のドキドキがある。ハズレだとしても後悔しないつもり。だからアタリだと素直に嬉しい。本作は歓喜。

予想以上の興奮であり、スクリーンの「ならでは」も加点。大ヒット中〜だったわけでもなく自分の感性で選んだ作品だけにその喜びといったら。スクリーン鑑賞は試験みたいなもの。アタリもハズレも自己責任。それがスクリーンの楽しさなのです。

監督:トニー・スコット/脚本:マーク・ボンバック/音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演:デンゼル・ワシントン/クリス・パイン/ロザリオ・ドーソン/ジェシー・シュラム/ケヴィン・コリガン/リュー・テンプソン/イーサン・サプリー/ケヴィン・ダン


hiroでした。