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だってそれが家族だから!


(C)2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

コーダ あいのうた


両親(マーリー・マトリン/トロイ・コッツァー)と兄のレオ(ダニエル・デュラント)が耳が聞こえないなか、家族で唯一の健聴者であるルビー(エミリア・ジョーンズ)は、高校に通いながら漁師である家族を補佐するために毎朝漁に出ていた。家族に頼られる一方で、自分が助けるしかないと義務感に駆られるルビーだったが、高校の合唱教師ベルナルド(エウヘニオ・デルベス)に歌の才を見出され、音楽学校の受験を勧められる。



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アカデミー作品賞受賞の本作を初見。トレーラー初見時は「パクリ?」かと。本作は日本でもまあまあヒットしたフランス映画「エール!」のリメイク。トレーラーでその旨を語っていた記憶がない。単に見落としていただけなのか?


リメイクだとは後日調べて知った。元々リメイク嫌い。本作も良い印象がなく、アカデミーの結果を踏まえてもスクリーンはスルー。今回の初見で思ったのは、結局は「話が良い」ということ。本作もリメイクとはいえ「良作」だった。



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とかく障がい者やその家族を主人公にした作品は、障がい者への同情を誘ったり、努力を讃えたりすることが多い。本作はその類の「可哀想」がほとんどなく、形が違えどどの家庭にもある苦悩や喜びを笑いを交えて「ふつう」に描いている。


実はこれ、とてもチャレンジングで大きな意味がある。「共依存」っていうの? 家族という関係性から自然にそうなるのもよくわかる。レオが「それじゃダメ」っていうのも胸熱。そういうのが全部、あのラストカットに繋がるんだよね。



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主演ジョーンズの父は英国の歌手。自身も歌手活動しつつ、子役として「パイレーツ オブ カリビアン 生命の泉」など大作に参加。本作では歌+手話のオプション付き難役をまっとう。父役コッツァーは本作でアカデミー助演男優賞を受賞。


母役マトリンも1986年「愛は静けさの中に」で主演女優賞を獲得。アカデミー初のろう俳優受賞者であり、同賞の最年少記録(記録保持中)でもある。ルビーの恋のお相手フェルディア・ウォルシュ=ピーロは「シングストリート」の子だ。



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オリジナルを見たのはずいぶん前で詳しくは覚えてない(反省)。畜産農家が漁師、弟が兄になってたかな。終盤、お互いに理解し合う瞬間がわかりづらかったけど、オリジナルもあんな感じだったかしら。機会があったら見直そう。


アカデミーとは無縁のオリジナル「エール!」。同等以上の良作だったのはよく覚えてる。どっちがいいとか言うのはもうやめます。ただ、本作で感動された方はオリジナルも見てみよう。リメイクだけ賞賛されているのはちょっとね。


*CODA=Children of Deaf Adultsの略。耳の聞こえない、または聞こえにくい親のもとで育つ子どものこと。

*最後のハンドサインは、おそらく意図的に字幕を入れなかったのかと。ぜひ鑑賞後に調べてください。後からジワジワきます。



 DATA

監督・脚本:シアン・ヘダー/原作:「エール!」ヴィクトリア・ベドス/スタニスラス・キャレ・ドゥ・マルベリ

出演:エミリア・ジョーンズ/トロイ・コッツァー/マーリー・マトリン/ダニエル・デュラント/フェルディア・ウォルシュ=ピーロ/エイミー・フォーサイス/エウヘニオ・デルベス



hiroでした。



エール!←オリジナル。同じようなレビュー(笑)


ケイコ 目を澄ませて←話題作でしたね!


聲の形←大好きな京都アニメ作品