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最後はきたよ、ホロリと

(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会

ウェディング ハイ


結婚式を控えた遥(関水渚)と彰人(中村倫也)。ウェディングプランナー中越(篠原涼子)との打ち合わせと並行して、招待客や挨拶、余興の依頼も着々と進む。遥の元カレ(岩田剛典)にも知人を通して結婚のことが知れる。招待された人々のそれぞれの思惑を孕んで、晴れの結婚式当日を迎える。


(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会


私をくいとめて」「勝手に震えてろ」と好物の多い大九明子作品を初見。大好きなのだが、人の嫌な部分を突いてくるので、一般受けは微妙。本作脚本はバカリズム。ギスギスした大九キャラとのほほんとしたバカリキャラ、合うのだろうか?


…合う! 面白い! バカリ得意の群像劇を大九が深掘り。大九が寄せた感はあるが、双方のいいところが噛み合った大九のショート作品集のような趣。濃厚な苦味のビール(いつもの大九作品)のすっきりエール味といった感じか。


(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会


序盤は結婚式あるある。日取りや時間帯。衣装やいろいろな決め事。どこまで呼ぶか。挨拶・余興は誰に頼むか。経験ある方はきっと頷きっぱなし。30年以上前の私ごとだが、こちらの両親の兄弟姉妹が共に多くて難渋した。今となっては懐かしい。


双方の上司、映像製作等々呼ばれる側の事情にもスポット。一人一人で30分ドラマが作れそう。そのひとつひとつが伏線にもなる。群像劇の醍醐味。それでいて、終盤は「泣きポイント」も用意する周到さ。お仕事ムービー要素もあり盛りだくさん。


(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会


トップクレジットは篠原。お仕事パート担当で本作の柱。梁になるのが中村。大九作品「私を食い止めて」では声だけ出演。そのお相手に関水。美人というより、通勤電車の隣に座ってそうな親近感女子。ブレイク前夜。応援します。


プリンス岩田があそこまでやった。本作のMVP!高橋克実皆川猿時中尾明慶の披露宴序盤の3連弾が勢いをつける。高橋のバカリっぽいキャラは好物。向井理を途中見失っていたが…。空気階段の二人が要所で攻めてくるので要注意(笑)。


(C)2022「ウェディング・ハイ」製作委員会


結婚披露宴。呼ぶ人も呼ばれる人も晴れ舞台。多くの人が一度は経験するエンターテイメント。それを演出するプランナー。みんなの思いはひとつ。「祝福」だ。人を祝いたい気持ち。それがあると、不思議と「幸せ」な空気が満ちてくる。


新郎新婦の願いを叶えたいと工夫を凝らす中越。月並みだけどホロっときた。ほとんどのキャラがいい人で陰キャラなし。人の闇が表現されないので大九作品らしくないとは言える。が、逆に「裏大九」的でこれはこれであり(笑)



 DATA

監督:大九明子/脚本:バカリズム/音楽:高見優

出演:篠原涼子/中村倫也/関水渚/岩田剛典/中尾明慶/浅利陽介/前野朋哉/泉澤祐希/臼田あさみ/片桐はいり/皆川猿時/鈴木もぐら/水川かたまり/ヒコロヒー/池田鉄洋/向井理/高橋克実/六角精児/尾美としのり



hiroでした。



私をくいとめて←大九×のん


勝手にふるえてろ←大九×松岡茉優


地獄の花園←バカリズム脚本