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絶賛の冒頭20分

プライベート・ライアン


激戦が続く第二次世界大戦。米レンジャー大隊を指揮するミラー大尉(トム・ハンクス)が受けた指令は、ノルマンディ上陸作戦で一人フランス領に降下して行方不明になったジェームズ・ライアン(マット・デイモン)一等兵の救出。ミラーはこのミッションに6人の部下と通訳のアパム(ジェレミー・デイビス)と共にナチス兵が占拠するフランスの地に足を踏み入れる。



1998年…25年になるのか。アカデミー賞の無冠の帝王スティーヴン・スピルバーグが初めて監督賞を受賞した戦争映画を四半世紀の時を経て初見。第二次世界大戦時に実際にあったナイランド四兄弟のエピソードに着想を得たフィクションなんだって。


冒頭の20分に及ぶオマハビーチ上陸シーンは当時絶賛を浴びた。飛び散る兵士の手足や内臓。戦場で戦っているのは生身の人間だという現実を突きつける。戦争って綺麗事じゃない、というリアル。近年の戦争映画では当たり前となった、その原点か。



ちなみにミラー隊はレンジャー部隊。つまり救出が任務。彼らに与えられたライアン救出作戦は自然である。ただ、四人の子のうち三人を失った親御さんのために救出部隊を送るって…日本軍ならまずないだろう。米国の余裕さえ感じるね。


ナチスの占領地域をライアンを探して行軍するミラー隊。やっと見つけるが…ん? 淡々と戦場を巡るロードムービーっぽかったのが突然戦争アクションに。テーマは外れてないが、作品のジャンルが途中で変わった印象。



ハンクスが主演。どことなくウッディ。若いといえば若いが25年前だと考えると変わってないに等しい。ペーペーだった頃のヴィン・ディーゼルが出演。ヘアスタイル(?)が変わってないので、まんま。序盤で見せ場を割り当てられる。


ライアン役にデイモン。出世作「グッド・ウィル・ハンティング」の翌年公開。ジャンプアップ作となった本作が続いたのは引きの強さか。ディーゼル共々今や大スター。戦争映画に出ると出世する、という伝説にたびたび引用されているもよう。



臨場感のある映像や音響で表現した戦場のリアル。リアルタイムで観たら「凄え〜」となっていたのかと。リアルタイムって案外重要。配信待ちは否定しないが、作品の賞味期限は気にしたほうが良いみたい。気になる作品はなる早で見るようにしたい。


ちなみにモデルになった四兄弟。本作同様、末っ子だけ無事帰還したんだけど、終戦後、長兄が日本軍の捕虜収容所にいたことがわかり、無事に帰還したらしい。



 DATA

監督:スティーヴン・スピルバーグ/脚本:ロバート・ロダット/音楽:ジョン・ウィリアムズ/撮影:ヤヌス・カミンスキー

出演:トム・ハンクス/トム・サイズモア/エドワード・バーンズ/バリー・ペッパー/アダム・ゴールドバーグ/ヴィン・ディーゼル/ジョヴァンニ・リビシ/ジェレミー・デイビス/マット・デイモン



hiroでした。



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