#24 TOHO_NIHONBASHI

夢を見ないと何も始まらない
(C)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

ウォンカとチョコレート工場のはじまり


死んだ母(サリー・ホーキンス)に誓った世界一のチョコレート店の夢を実現しようと街に出たウォンカ(ティモシー・シャラメ)。ところが悪徳宿の女主人(オリヴィア・コールマン)に騙され、街のチョコレート組合にも街頭販売の邪魔をされる。夢を諦めかけたウォンカを救ったのは宿の下働きの少女ヌードル(ケイラ・レーン)だった。


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ロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」を原作とした「チャーリーとチョコレート工場」。その主人公チャーリーを工場に招待するウィリー・ウォンカがチョコレート工場を立ち上げるまでを描いたオリジナル作品だ。


ティム・バートン×ジョニー・デップの前作はブラックコメディ。わがままの罰を受けるように子どもたちに起こる事態がシュール。ウォンカのトラウマの陰の物語だったので全体的に陰性。一方、本作はミュージカル仕立てでかなり陽性。


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ミュージカルのテーマは「夢」。貧乏人はそこから抜け出せないという空気の中、途方もない夢を語る少年ウォンカ。「夢を見ないと何も始まらない」と背中を押す母。「Change the world」…ウォンカはチョコレートで世界を変えようとする。


お子さんが見ても「ちょっとな〜」だった前作。原作未読なので原作どおりのニュアンスなのかは不明だが。で、オリジナルの本作。こちらはお子さんが見ても楽しい。いや、むしろ推薦したい。お子さんには、もっともっと大きな夢を抱いてほしい。


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主演は誰が見ても美しいシャラメ。「君の名前で僕を呼んで」でみずみずしい少年を演じ、SF大作「DUNE」シリーズ主演。今後の映画界を背負う、いやすでに背負っている逸材だ。W主演と言っていいヌードル役はお初のケイラちゃん。


強烈だったヒュー・グラントに、主に回想だったホーキンスは英国を代表する俳優。この二人、ポール・キング監督とは「パディントン2」つながり。宿屋の意地悪主人が「女王陛下のお気に入り」のコールマンという超贅沢。


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ミュージカルと知らずに拝見。ちょっとビックリしたけどすぐ慣れた(笑)。帝劇の舞台「チャーリーとチョコレート工場」も好評。ミュージカル向きのコンテンツだったということだろう。ミュージカルが苦手な方は要注意。


夢見ることを否とする社会。笑えない現実。夢を見ないと始まらない。大人が頭から否定してたら大谷翔平の成功だってないわけだからさ。夢いっぱいのファンタジーだけど結構刺さる。いや、みんなに刺さりまくってほしい作品だ。



 DATA

監督・脚本:ポール・キング/脚本:サイモン・ファーナビー/原案:ロアルド・ダール

出演:ティモシー・シャラメ/ケイラ・レーン/パターソン・ジョセフ/マット・ルーカス/マシュー・ベイントン/ジム・カーター/ナターシャ・ロスウェル/リッチ・フルチャー/ラキー・ザクラル/トム・デイヴィス/オリヴィア・コールマン/ローワン・アトキンソン/キーガン=マイケル・キー/ヒュー・グラント/サリー・ホーキンス



hiroでした。



チャーリーとチョコレート工場←の話がベース


君の名前で僕を呼んで←ティモシー・シャラメの輝き


パディントン2←にグラントとホーキンス出演