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高齢世代のもしも集
(C)2021映画｢老後の資金がありません！｣製作委員会
老後の資金がありません！
義父（綾田俊樹）が亡くなり、義理の妹志津子（若村麻由美）に葬式費用一切を出すよう言われた篤子（天海祐希）。その上、義母芳乃（草笛光子）の生活費も出すよう求められ、それなら芳乃を引き取ると提案する。そんな矢先、篤子は職場の契約を切られ、定年間近の夫章（松重豊）の会社も倒産する。
(C)2021映画｢老後の資金がありません！｣製作委員
垣谷美雨の小説の映画化作品。主人公夫婦の年齢設定が僕のリアルに近い。これは切実でタイムリー、と公開当時から気にはなっていた本作。ようやく初見。老後に必要な資金は2000万円とも4000万円ともいわれているのだが…。
計算できる住宅ローンや食費などの生活費。加えて葬式費用、医療費、子への支援等々、タイミングも額も計算できないものもある。本作にはお金が要り用になるライフイベントがてんこ盛り。失業や特殊詐欺の被害、年金の審査まで網羅。
(C)2021映画｢老後の資金がありません！｣製作委員
どちらかというと、こんな出費があるかもしれない「もしも」集。なので、老後のための貯金テクや裏ワザ集的要素は薄い。もちろん問題定義だけでは終われない。裏テーマは定年を迎える夫婦のライフスタイルのシフトチェンジだ。
篤子と芳乃の関係性が軸。老舗和菓子屋をたたみ夫を亡くし、年金だけが収入の芳乃。子たちの援助に頼らざるを得ないのに、どこで切り替えていいのかわからないんだよね。タイトルは篤子の叫びなのが違和感なのだが、原作どおりなので。
(C)2021映画｢老後の資金がありません！｣製作委員
今やトップ俳優の一人天海。ご存知のとおりシリアスもありだが本作はコメディ特化。バディとなる草笛さんとは宝塚の先輩後輩の仲。劇中のセリフにもネタあり。…にしても昨年90歳になられた草笛さんの元気さはリスペクトに値する。
夫役「孤独のグルメ」の松重さん。家計への無頓着さは笑えない（僕はね）。柴田理恵がキーパーソンの一人。北斗晶、佐々木健介、友近から六平直政、藤田弓子、竜雷太までゲスト含めバラエティに富んだ豪華出演陣。三谷幸喜も演者として出演。
(C)2021映画｢老後の資金がありません！｣製作委員
うん千万…必須の金額ではないとはいえ、もしものための心の準備をしておく必要はある。40年近く働いた人の退職金だけだと厳しいかも。劇中も打開策は特になし。ここ掘れワンワン、なんてことはそうそうないということだ。
結局は人。人がどう変わるか、なのかと。「変わらないことは美徳」ではない。変わってもいい。むしろ、変わることは「成長」だと思う。成長できる人なら、歳とっても何とかなるのかな…などと家計に無頓着な男が言っている（汗）
先日、保険も見直したし（←奥さんの助言）、あとはとりあえず健康でいよう。
DATA
監督：前田哲/脚本：斎藤ひろし/原作：垣谷美雨
出演：天海祐希/草笛光子/松重豊/新川優愛/瀬戸利樹/若村麻由美/石井正則/加藤諒/北斗晶/佐々木健介/クリス松村/高橋メアリージュン/友近/毒蝮三太夫/哀川翔/三谷幸喜/荻原博子/富田望生/神保悟志/どんぐり/六平直政/綾田俊樹/藤田弓子/竜雷太/柴田理恵
hiroでした。
