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争いの終わらせ方

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ラーヤと龍の王国


龍が守る聖地クマンドラに現れ、人々を石に変えた魔物ドルーン。龍の犠牲によってドルーンは封印され人々は守られたが、生き残った龍シスー(オークワフィナ/高乃麗)はハートと呼ばれる封印の石を人間に託して姿を消す。500年後、人間たちの争いによってドルーンの封印は解け、人々は再びドルーンの脅威にさらされる。代々ハートを守り続けた家系のラーヤ(ケリー・マリー・トラン/吉川愛)は最後の龍シスーを探す旅に出る。


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初見。コロナ禍で製作して公開に漕ぎつけた本作。ところが当時のディズニーは同時配信戦略。ディズニープラスの躍進にはつながったけど、映画館との関係が悪化。日本でも最大手TOHOがボイコットしたせいで、本作あまり浸透しなかったのよね。


ミラベルと魔法だらけの家」「ジャングルクルーズ」「クルエラ」なんかも同じ時期。コロナで集客激減だった映画館側もピリピリしてたからね。エンタメ界の綱引きが露骨に影響した例。そういうのがなければもっとヒットしただろうに。


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クリエイターにはそんな事情は関係なし。世界エンタメでアジア勢が熱かった時期に波に乗っかった本作。ヨーロッパのドラゴンと違い、こちらの龍は神秘的。「ベイマックス」のドン・ホールが男女問わず熱くなれる冒険ファンタジーに仕立てた。


明確なヴィランがいないのもアジア的。ドルーンとは「誰」ではない。人が持つ負の感情であったり欲であったり。そんな抽象的な「悪」。ヴィランに近いナマーリ(ジェンマ・チャン/伊藤静)とラーヤとの関係性が本作のツボ。


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キャストがハリウッドのアジアンオールスター。ラーヤ役トランはベトナム系。「スターウォーズ/最後のジェダイ」が代表作。シスー役オークワフィナは中国韓国系。「シャン・チー」「オーシャンズ8」「リトルマーメイド」等々今や売れっ子。


宿敵ナマーリ役チャンは中国系。「エターナルズ」「ザ・クリエイター」等大作で活躍中。「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・ウォンも参戦。ディズニーアニメに欠かせないハリウッドの山ちゃんアラン・テュディックもいる安心感。


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不信が疑念を抱き、憎しみになり、争いになる。人間はいつだってそうやって戦争を始める。解決策は争うことじゃなく信じること。みんな答えを知っているのに、なかなかそれができなかったりする。利己主義なんだよね。


諸事情で日本ではあまりヒットしなかった本作。米国での評価は案外低くないようだ。ディズニー得意の冒険ファンタジー。見逃した方はチャンスがあればどうぞ。とりあえずトゥクトゥクは可愛い。乗りたい。



 DATA

監督:ドン・ホール/カルロス・ロペス・エストラーダ/脚本:キュイ・グエン/アデル・リム/音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード

出演:ケリー・マリー・トラン/オークワフィナ/ジェンマ・チャン/アイザック・ワン/ベネディクト・ウォン/サンドラ・オー/ダニエル・デイ・キム/アラン・テュディック/(日本語)吉川愛/高乃麗/伊藤静/森川智之



hiroでした。



スターウォーズ←のトランが主人公


シャン・チー←のオークワフィナが龍


エターナルズ←のチャンが…