どーもです。

限定記事にしてやろうかってくらい、なんだか『ん〰』な感じに。

要は、文章がネチッこいんですよ。

……………あ!久遠君の心理描写がってことで、別に桃系ではないのですヨ(桃系限定は、次話?か、その次話くらいかもしれぬやもしれませんが……………もし、久遠君がハッスルすれば。久遠君次第なんですよね………。)。

この第10話、久遠君の気持ちの行ったり来たりが多すぎて、『……………え?で、結局はどうしたいの?』と突っ込まれそうです(´д`|||)

オヨヨヨヨ〰〰(つд⊂)




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久遠 ver.





レストランでのディナーのあと。部屋に戻って落ち着いたところで、俺はキョーコに、一緒に入浴しようと強請った。

先程、アボガドのソースを使った料理を作ることを断られたのは、事実だ。でもキョーコの瞳は、俺のことを好きだと言ってくれている。俺が、視線に、『君を今すぐにも抱きたい』という欲望をこめれば、恥ずかしそうにうつむくけれど、その瞳の中には嫌悪感なんて一切見当たらなかった。だから、キョーコに問い詰めるのは明日にして、今はキョーコとの相瀬を大切にしようと思い直した。俺に抱かれるキョーコを見て、安心したかったのだ。しかも、より恋人らしいこと…………普段ならキョーコが嫌がることをお願いして、許してもらいたかった。だからあえてハードルの高い『一緒にお風呂』を要求してみた。だが、言ってみるものだと思った。なぜだか許可はあっさりと下りたから。それも、『恥ずかしいから……………あんまり見ないなら…………いいよ。』と、俺の背中から腰に電流が走るくらいに、可愛いらしく、だ。


あんまり見ないでと言われても、明るい浴室。もう、見ないわけにはいかないだろう。体を洗ってあげると申し出て、少しだけ抵抗するキョーコをじっくりと眺めながら、泡でもふもふと洗った。泡にまみれて、ゆったりと、ふんわりと、じんわりと俺に導かれていくキョーコが、愛おしくて仕方なかった。大切に、大切に愛した。たくさん『愛している』と言った。その言葉に、キョーコはうっとりと聞き入ってくれた。すごく、嬉しかった。だから、そんなキョーコを抱く俺は、尋常じゃないほどに気持ちよくて仕方なかった。

そうして俺は、ずいぶんと長い間、キョーコを揺さぶった。















結局、キョーコはそのまま意識を飛ばしてしまい。また加減できなくてごめんね、と心の中で謝っておく。


夜中に目を覚ましたキョーコが、すぐに水分補給できるようにヘッドボードにペットボトルを用意し。俺は柔らかなキョーコを抱き締めて眠りについた。






……………♪♪♪♪♪♪♪♪♪……………




ふ……………っと。
携帯の着信音で目が覚めた。

携帯のディスプレイでは0時前。社さんからの着信だった。

こんな時間にどうしたのだろうと少し不安になって、素早く、でも、キョーコを起こさないようにそっとベッドを抜け出して隣の部屋へ行く。

社さんは開口一番、『こんな時間に無粋なことをしてすまん』、と前振りを入れてきた。それが可笑しかった俺は、『いえいえ、もう落ち着いたあとなので大丈夫なんです。キョーコはただいま夢の中なんですよ』、と答えると、『おやおやそうか、フフフ……』と笑い声が聞こえた。

社さんの本題は、こうだ。こちらでの人脈作りのために参加した今夜の食事会で、とある人物と知り合った。その人物から提示された仕事が、俺を更に高みにのし上げるための起爆剤になると考えたらしい。ただし、役のために技術の獲得が必要で、スケジュールがこれから二ヶ月ほどかなり厳しくなってしまうと。なにより、決断を今すぐできないのならば、他に候補がいるのでそちらに話を振ってしまうという。そして、社さんは、俺に決断を迫った。『俺のマネージャーとしての勘が言ってる!絶対にこの仕事はお前のものにするべきだ!な、いいか?いいよな!?』と。俺はマネージャーとしての社さんに全幅の信頼を寄せているので、「よろしくお願いいたします。」と答えた。

ごそごそと音がして。社さんは、相手方にOKの返答を済ませたらしい。

そのあと、社さんから今後の予定についてごく軽く情報提供があって。これで通話は終わるかと思いきや、社さんは言いにくそうに、言った。
「今日の顔合わせの時、お前、大丈夫だったか?」と。

「……えっ?」

驚いて聞き返した俺に、社さんは話してくれた。こちらで俺のマネージメントをしている、カオルダというマネージャーが、言っていたと。今日、俺の新しいドラマの顔合わせの会場に、電話を済ませて俺に遅れて入ると、二人の俳優が『Kyoko』について話していて。その内容を聞いていて、カオルダはいたく感心したらしい。夕方、社さんは興奮気味に言われたそうだ。『Kyokoって、ヤシロの担当女優でしょ?すごいじゃない!あの俳優は女たらしだけど、本当にいい女優にしか目をつけないのよ。確かに昨夜のパーティーでのKyokoは魅力的だったものね!すごい、すごい、すごいじゃない!』と。

『お前、顔合わせの時に聞いてたんだろ。キョーコちゃんの噂話。』

「…………………………はい。」

『そうだよな、………うん。でも、大丈夫だったからな!俺が、ちゃんとそばで守ってたから!だから、キョーコちゃんには誰もなんもしてないんだからな!』

「…………………………はい。」

『……………あのな、久遠。パーティーの時……………キョーコちゃんは、お前を見てたよ。可哀想なくらい、お前だけを見てた。………キョーコちゃんは、ちゃんとお前のこと、好きだからな。』

「……………はい。」

『……うん。再来月には俺もまた日本に戻るから、そしたらまた俺に任せとけな?キョーコちゃんには誰も近づけさせないから!』
社さんが、胸をドン、と、叩く気配がした。

「はい、わかりました。社さん、いつも本当にすみません。ありがとうございます。」と俺は言ったのだが。

でも。でも。社さんは、キョーコには誰も近づけないと言った。でも、でも。もしもキョーコが、まわりを見てしまったら?そしてまわりの男達に気づいてしまったら?そして、『ああ、あの人、素敵だな』と思ってしまったら?それから、『あんなに遠いところにいる久遠よりも、近くにいる人と付き合った方が楽しそうだな。』と思ってしまったら?

どうしても、そう思ってしまって。やっぱり、キョーコを確実に掴まえておきたくなってしまって。

そのために、キョーコを。

今、キョーコの中に注ぎ込めば。俺の欲望を注ぎ込んでしまえば。キョーコのお腹には。そうしたら、俺と……………。そうだ。キョーコの仕事、調整できる内容なのかな、これからの10か月間とか、どうなっているのかな。

社さんに、聞いてみよう………。

「お世話かけついでに、少し教えてください。……………キョーコのあと1年くらい先の仕事って…ずっと埋まってますか…………?」

『……ん?もしかして、アメリカで「京子」にさせたい仕事でもあるのか?お前がねじ込もうとするくらいなんだから、きっといい仕事なんだろうな。それなら俺も頑張るぞ。京子のために下げる頭なんて、いくらでもあるんだからな!……で、どんな仕事なんだ?』

その、社さんの言葉に、ハッとした。そうだ、俺は今、何を考えた?……………京子の仕事を奪うようなことを……………。それに、社さんは京子を役者としてのし上げるために、日々心を砕いてくれていたのに……………。それなのに俺が今、考えたことは、キョーコだけじゃない、社さんさえも裏切ることになるんだ。

……………ああ、だめだ。こんなのはだめだ。

「…………………………ぁ、いえ、いえそんなわけでは、……………変なことを聞いてすみません。」

『………………………………………。久遠……………もしかして……………お前、キョーコちゃんを、手元に呼び寄せたいと思ってる………?』

「え、違いますよ、違います。……………でも、社さん……………」

でも、社さん、聞いてください。……………俺、限界が近いんです。心が、キョーコを求めて、欲しがり過ぎていて、たまらないんです。聞いてくださいよ。

『……………うん?』

「………社さん…………………俺、最低なんですよ、最低なんです………………!」

俺の話を聞いてください。
俺の野望を聞いてください。

そして、俺の暴走を止めてください。
『京子』を、守って。
俺から、『京子』を。
あなたくらいしか、俺から『京子』を守れる人はいないんです。


『さ、最低…………?どうした?……………キョーコちゃんに…………………………なにか、したのか……………?』

「そうではなく、…………………………だって、」

『ん……?』

「……………………………………………………」

『…………………………言うのを…ためらっているのか?……………でも………お前は言いたいんだろう、本当は……。俺は…そんな気がする…………。………………俺は聞くぞ、ちゃんと。受け止めてやるから………どんな話でも。……………ダメなときはちゃんと叱ってやるから。キョーコちゃんが幸せになれるように、お前も幸せになれるように、お兄ちゃんが協力するから、だから、思うままに、話してみろよ。』

小さく深呼吸をする。

社さんは聞いてくれる。
今が、『話す時』だ。

「なら、言いますけど……………女の人は……………狡いですよ。」

『へ?……………ず、ずる?』

「女の人は、妊娠、できるじゃないですか。」

『……………………………………………………ぇ、に、妊娠…?……………ま、さかお前、自分が赤ちゃん産みたい……………とか、女性のように母として命を育んでみたい、とか……………?キョーコちゃんばっかり妊娠できて、妬ましい………的な?』
社さんのかなり困惑げな声。

社さんの考え方が至極真っ当すぎて、自分がどれだけ腹黒いかを思い知らされる。
「…………………………ふ、俺がそんな、崇高な考えをもつわけないでしょう……………。……………妊娠……は、相手を逃がさずに済む最強の手段のひとつだと思って……………」

『……………逃がさない……?』

「排卵日を偽るとか、ゴムに細工するとかして相手を罠にはめて……………見事に妊娠できたら、『あなたの子供よ、責任とって結婚して』って……………」

『…………………………』

「まあそれを通告されて、逃げる男もいるでしょうが………たいていは『認知』で済ませるだけでなく、結婚するのがおおかたでしょう?堕ろせ、と言うケースは少ないわけで……………」

『…………………………そ、うだな……』

「命を……………そんなふうに駆け引きに利用するなんて……………卑怯だ…………………………女の人は、狡い。」

『…………………………久遠、』

「狡い……狡いじゃないですか……………、女の人ばかりがそんな手段を持ってるなんて………男には、……………俺にはそんな、…………………………くそ……………っっ!!」

『………………………………………久遠、』

「キョーコを、今、孕(はら)ませたとしても、きっとキョーコは俺の子供を産んではくれない…!万が一、万が一産んでくれたとしても、俺は恨まれる。…………そして、キョーコの心の中から切り捨てられるんだ………!」

『…………………………』

「でも、でも俺なら、逆に俺なら、キョーコとの子供を妊娠したら産むのに!喜んで、大切に大切に産んでみせるのに!そうしたら、キョーコは俺から逃げられない!……………俺が、絶対に逃がさないのに……………!!」

『……………久遠、』

「キョーコを確実に手に入れたいんです。俺は、キョーコを失う未来なんて堪えられない…!」

『…………………………………うん、うん、わかった、』

「社さん……………」

『うん、わかったから、ごめんな。すまん。…………そうだよな、俺が守るって言っても、キョーコちゃんの心には壁は作れないもんな。キョーコちゃんが、近くにいる、他の魅力的な男に自ら心を寄せてもなんらおかしくないもんな。お前は、それが心配なんだよな?………ごめんな、お前の辛い気持ちをわかってやれなくて、ごめん。俺がいるから大丈夫だとか、無責任なこと言「ち、違います!」』

「違いますから!俺は、社さんを責めてるんじゃないんです!いつも感謝しています。いくら感謝しても、したりないくらい………!本当に!!本当です!」

『………うん。わかってる、ありがとな。』

「……………いえ…………。…ただ、俺の弱さなんです………。……そんな卑怯な手を使いたいと思ってしまう、俺の弱さで……。でも、俺は……キョーコを、傷つけたくない……。なにより、キョーコに嫌われたくないんです……………。」

『うん……………わかった、わかったよ。お前の気持ちは、わかったから。』

「キョーコとの未来は、卑怯な手を使っても手に入らないと、してはいけないんだと、わかってるんです。」

『うん、そうだな。お前は、ちゃんとわかってるんだよな。』

「社さん……………俺は、俺は、キョーコと人生をともにしたい……………それだけなんです……………」

『……………うん、うん、わかった。わかってるから。』

「………俺…………………俺が、そのためになにかできることはあるでしょうか……………?」

『…………ん…………………………と、…俺は……………今まで通りで、いいと思うぞ。』

「今まで通り……?」

『うん、キョーコちゃんのそばにいてさ、まあ、俺が感じたことだから、絶対、じゃあないけど。』

「……………キョーコ、この一ヶ月ほどなんだかおかしいんです。」

『一ヶ月?』

「はい、よそよそしいというか、先の話を……未来の約束さえしたがらないと言うか……………。」

『ふ……………ん。』

「ついに、来年の話も、はぐらかされるようになりました。……………はは、……………もう恋人としての自信喪失ですよ………」

『……………………ん〰、……………あのさ、』

「……………はい。」

『えと、うん、やっぱり、お前はそのままでいいんじゃないか?』

「そのままで……………?」

『うん、今のままで。』

「今のまま…………………………、」

『お前はちゃんとキョーコちゃんを大切にしてるよ。それはキョーコちゃんだってわかってる。でもさ、今回はちょっと、……きっと、なんか不安になることがあったんだよ。キョーコちゃんの中で、多分だけど、それこそ久遠の恋人として自信を喪失するような何かがさ。だけどさ、基本的に自己肯定感が低くて、自分の欲求を通さずに生きてきた子だからさ、ためてしまって、お前に言えないんじゃないのかな。』

「…………………………。」

『もちろん、それを聞き出してあげてもいいと思うぞ?……でもさ、お前が今まで通りに、想いを伝えれていればさ、キョーコちゃんはあの子なりに、自分で問題を消化していくんじゃないのかな。』

「…………………………。」

『キョーコちゃんはさ、お前のことが好きなんだよ。な?わかるだろ?ちゃんと好きなんだ。だからさ、お前がキョーコちゃんを言葉で、態度で包んであげていれば、きっと、キョーコちゃんは乗り越えられるよ。……………波風、立てたくないんだろ?問いつめたりしたくないんだろう?だからさ、不安定なキョーコちゃんを、お前の重ぉぉくて、深ぁぁぁ〰〰い愛で、安心させてやれよ。』

「……………社さん……………」

『……………な?』

「………………………………………はい。………やってみます。」

『……………ん、期待してる!お前なら、できるよ!』



キョーコを、俺の愛で包んで安心させる…………か……………。

その方法で、キョーコの態度が元通りになるかはわからないけれど……………でも、『それ』は、とても前向きで、安全な方法だ。……………そう。キョーコを妊娠させるという方法は、禁忌なのだから……………。俺は、正攻法でいくしかないよな。


俺の『やるべきこと』が見えて、俺の迷路のような思考は、一旦の収束を得た。

社さんに礼を言って、そっとキョーコの元へ戻る。


朝になったら、また、キョーコにたくさんの愛情を伝えるんだ。キョーコが安心できるように、寂しく思う隙がないように、俺の想いを伝えていこう。


そうやって、心の中で呪文のように唱えると、俺は大好きなキョーコの匂いに安心してきた。ゆっくりと、深い眠りの中に落ちていく。


ただ、ただ、ひたすらに。

キョーコと歩む未来を思い描いた夜だった。





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『たとえどんなに』の全話を取り下げて隠そうかってくらいに、ネチッこくなりました…………………………あ〰〰(つд⊂)



あー、あと、すみません。
あの……………お風呂の中で致すのに、ゴムってつけてられないですよね?お湯でスルスルとれちゃいそう。………どうなのかな?なんか話の流れで適当にそうしちゃったんですけど、後で情況を妄想したら、アレッ?となりまして……………。
あと、いくら若くて健康でも、飲酒後の入浴って危険ですよね。血管拡張するのか?収縮するのか?とにかく病態生理学的に、危ない臭いがプンプンしますよね。
なんか色々テキトー過ぎですよね、すみません(≡人≡;)