どうもです。
大きな声では言えないけれど、浮気が功を奏しまして、こちらのお話が進みました………d=(^o^)=b




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あのあと、いったいどういうつもりなのかわからないけれど、私からの『お野菜ありがとう。ありがたくいただくわ。』というメールの返信として、幼馴染の男から、『話し合うつもりがないのなら、せめてよく見ててやれ。』という一文メールが届いた。

私達が楽屋でした会話の内容から察するに、『久遠の様子をよく見ていろ』という意味なのだろうけれど…………。でもそんなことを言われたって、久遠が『キョーコとの赤ちゃんは要らない』と言ってるのを聞いてしまった私としては、久遠が私の妊娠をのぞんでいたとは思えないわけで………。ほんとに私にどうしろと言うだと幼馴染の男を問いただしたい気持ちで、私はもやもやとしていた。


「……………こ、……ーこ、キョーコ、ねえキョーコ?」

「……………あっ、ん?ごめん、なんだった?」

ニュースを見ている途中で、自分の思考に集中してしまっていたらしい。久遠が心配顔で私を見ている。何度も声をかけさせてしまったみたいだ。

「……………キョーコ…なにか考えごと?」

「あ、うん、でもたいしたことじゃないの。……なあに?」

「…………………………。…ね…………キョーコさ…………………………不破…と会ってから……………なんかよく…考えこんでる……………よね?」

「…え?」

「あいつに………なにか言われた?」

「……………」
少し図星なので、一瞬だけ固まってしまう。

「……………俺の、こと?」

「………えっ、ううん、なんかね、どうでもいいこと!久遠は関係ないよ、」

少し慌てた感じになった私のことを、久遠は探るような目で見た。
「……………関係ない?」

「うん、そう。関係ない……………なんせあいつよ?くだらないことよ。……………あ、ねえ、今日は暑くなるみたいね。久遠は外での撮影よね?しっかり水分とってね!」

「………誤魔化してる?」

「へっ?」

「不破に、なにか大事なことを言われたのに、誤魔化してる?」

「ええ、な、なに?」
久びさの、圧力のある久遠の様子に、思わず動揺してしまう私。

「たとえば…………………………俺と結婚しない方がいいとか……………」

「ええ!!?」
突拍子も無い久遠の発言に驚いて、久遠の顔をしっかりと見返すと、久遠はとてもとても辛そうな顔をしていた。

「……違うの…?そういうことじゃない…?」

「ぜ、全然…違う…………私達の結婚を…茶化しにきたのよ。それだけ……」

……………ああ、そうだった………。もう忘れていたけれど……………久遠は、松太郎の存在が『怖い』ってよく言ってた。いつか『私を獲られる』んじゃないかって………。…………………………え?まさか、まだそう思って………?

「……………ほんとに?……………もしかして………突然妊娠したことで……俺のよくないこととか……………吹き込まれたり……………」
久遠の瞳が不安げに揺れている。

「……………や、も、ほんとに違うの。全然なんでもないの。」

私がぱたぱたと手を振れば、久遠は、乗り出していた身を下げた。
「……………ほんとに?」

「ほんとのほんと!!」

「…………………………、」
まだ納得しきれていないのか、久遠は固い表情のまま視線を窓の外に移した。まるで何かに耐えるように。





…………どうしよう、久遠……………辛そう……………。ほんとに……………松太郎のこと…………気にしてるみたい……………。…………………………このままなのは……よくないよね…………………………。

「………………………………………………ね、久遠……………私、どうしたらいい、かな。」

「…え?」

「ほんとになんでもないのよ?だから、どうしたら久遠を安心させられるのかなあ……って。」

久遠は、私がどうしたらそんなに辛そうじゃなくなるのだろう。



久遠は、私の言葉にはっとして。
ゆっくりと近づいてきた。

「……………ここに、いて。」

久遠の手が私の手を包んで、ぎゅっと掴む。

「……久遠……」

「……………俺の、そばにいて…。……俺から離れないって、絶対に俺と生きていくんだって……………キョーコの口から聞きたい。」

「…あ、…う、うん。私、久遠が好き……大好き………だから、ここにいる。久遠のそばにいるよ。ずっとずっと一緒にいようね。久遠も、私から離れないで…私を離さないでね……!」

久遠に掴まれていた手を返して、久遠の手をぎゅっと握り返した。



「…!うん、うん…キョーコ!絶対…絶対だよ…!………絶対に、俺と生きて………俺のそばにいて………絶対に………!!」

久遠は、私の手を額に持っていくと目を閉じ、祈るように、そして呻くように、何度もそう言った。包まれた私の手は、久遠の力強さで握られて痛いくらいだ。



『せめてよく見ててやれ。』
突然、あの一文メールを思い出す。

私の手を握る久遠の手は白くなっていて。
「キョーコ……。………キョーコがいない人生なんて考えられないんだ……………だから…………俺を見捨てないで…」

じっと私の目を見つめる久遠は、どこまでもまっすくで。




……………そ、うなの?……………そうなの……………かな。久遠は……………私との結婚を……………のぞんでくれて…いる……………?赤ちゃんは………本当は欲しくはなかったけれど……………今は…心から前向きな気持ちで私の妊娠を受け止めて……………くれている……………のかな……………?




『せめてよく見ててやれ。』

また、あの言葉が私の脳内によみがえる。


……………そう、か…………そうね…。『今』の久遠を…よく見てて…みよう……………もしかしたら………もしかするのかも………しれない……。



私は久遠の目を見ると、できるだけ明るく笑っていった。
「ねえ、久遠、久遠っ、」

「な、なあに?」

「久遠…大好きっ、えへへ〰」

「へ、」

「大大大大大大大好きだよ〰、うふふ〰」

「………っキョーコっ!!、……うん、ありがとう!うん、うん、俺も愛してる!!愛してるよ……っ!!」

久遠が、お日様みたいに笑った。
ぱあぁぁって音を立てて笑った。



そういえば。こんな弾けるような、嬉しくてしかたないって感じの最上級な久遠の笑顔…見ていなかった気がする。優しく、あたたかく、甘く笑ってくれてはいたけれど。こんなに、全身で『嬉しい』『楽しい』ってまるで今にも走りだしそうなくらいの熱量で表現しているのは、私の妊娠を伝えて以来ぶりかも…………。そうか……………それってもしかして、私がずっと笑っていなかったから……?私が、妊娠をしたことが後ろめたくて、久遠に『それどころじゃないだろう』って思われたくなくて『大好き』『結婚できて嬉しい』って言うのをためらっていたから………?だから……久遠も私の気持ちをはかりかねて…いたの?


私は、久遠に悪いことをしていたのかもしれない、とふと気づいた。

私が自分のことに精一杯で、久遠の気持ちなんて考えられていなかったから、久遠を謀ったことを隠蔽することばかりに気をとられていたから、だから、久遠は私の気持ちが見えなくて、ずっと寂しかったのかもしれないと、そう思った。



それからは、私はできるだけ久遠をよく見た。そうしたら、今までは、私が久遠を見ていなかったことに気づいた。なぜなら久遠は、とても私を見ていていたようで、私の方が顔を上げるようになると、とてもよく目が合うようになった。そしたら、久遠はもっと幸せそうに笑うようになって、家の中がとても明るくなった。














そんなある日、私は首をかしげてぽつりと言った。

「あれ?……………なんか…………………………」

「どうした、キョーコ、お腹痛い?」

朝食の中華粥を食べている手を止めた私を、久遠が心配そうにのぞきこむ。

「………………あ、違くて……………なんか、楽、かも。」

「らく?」

「………………モヤモヤ……は、少しはあるけど……なんか船酔いみたいな辛さがないの………あ!安定期……だから、かな?」

「…え、そうなの?」

「うん。つわりって、安定期には楽になりやすいって………。」

「…………あ〰たしかにそんなことも雑誌とかに書いてあったね。よかったね……キョーコが楽になって、俺もすごく嬉しい。」

「……うん、ありがと。」

「そういえばさ、カフェインレスのコーヒーがもう少しで無くなりそうだね…………リピしとく?」

「あ…うん。……………久遠にも…カフェインレス…付き合わせてごめんね。」

「ううん、全然。意外と美味しくて楽しめるよね。……じゃあ、ネットで注文しとくよ。あ、そうそう。納車日が決まったんだ。これで俺の大切なキョーコが、車に乗りやすくなるね。………安心だよ。」

そう言って、にこぉっと微笑む久遠。


忙しいけれど、久遠に協力してもらって穏やかに進む毎日。

本当に、大切にされていると感じる日々。






その日の夜。

私が寝室のベッドの中にごそごそと入っていくと、先にベッドに入って台本を読んでいた久遠が、パタリと台本を置いた。

「………ね、キョーコ………。やっぱり………楽……………?」

「……あ、うん、楽よ。まあ眠気はやっぱり普通じゃないけど。すごいよね、安定期って………。体の中…どう変化してるんだろう。」

「そ、か。」
私が笑顔で返せば、久遠の視線がそよそよと泳いだ。


「「…………………………」」

あれ?なんだろう。久遠、様子が変?……………なにか言いたいことでもあるのかな…………。

「……………あの、さ……俺……キョーコと……したいな。」

「………なにを?」

全くわからなかったから。普通に聞き返した。

「雑誌とかで勉強した時に読んだんだ……。安定期には………してもいいって…。……キョーコのこと…………………抱きたい…。」

「……………!!!」

「……………だめ……………?」

「…………………………え、と、」

「……………こんなこと言う俺…は…………嫌?」

「…………………そんな、の、………や、じゃ、」

「キョーコ、好き。」

「…くお…ん」

「キョーコ…………………ね、好きだよ。」

「くおん。」

「そっと、優しくするから。」

「……………くお、ん」

「……ちゅ、……………大好きだ、愛してる……………」

「……くおん……」

「……………キョーコ……………キョーコ……………キョーコ…………………………」




そうして。久遠は、私の「初めて」のあの時よりも、優しく優しく私を抱いた。『キョーコ』と、昂り切迫した声で、幾度も優しく呼ばれて。そっと、そっと、でも、苦しい程の熱量で貫かれながら、久遠の荒い息を受け止めた。




幸せだと、思った。


嬉しくて、愛しくて、何より安心できて。ようやく肩の力が抜けて、心から久遠に甘えた。


こうして、久遠と共にあたたかい家庭を築いていくのだと、そう思った。


すごくすごく泣けて。


泣きじゃくる私を、久遠は宝物みたいにその腕で包んでくれて。







そう。

幸せだと、思って、いた。











まだ、私は、久遠の本当の本音に気づいていなかったから。

だから、もう安心なのだと、そう、勝手に思い込んでいた。


『あの時』、までは。









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って、えええぇぇぇっ( ̄□||||!!
おいおいおいおいオイオイオイ
まだ続くんかーいっ(゜o゜)\(-_-;)
しつこいわくどいわ!!
キモいわ〰いっΣ(Д゚;/)/


と思ったそこの貴女!!


そうです!続くんです!!
ここで終わったら、『ねじれこじれ友の会』会長(←←←      )、ぽてとの名がすたる!!
だって、まだ第16話ですよ!?せっかくここまでねじらせたのに、ここで手を引くなんてもったいないことぽてとにはできなひぃぃ………(TДT )


というわけで、本気でこのねじれこじれがキモいと思ったけれど、でもやっぱり結末は気になるな、というそこの貴女様。半年後くらいのご来店を心待ちにしております。きっとそのくらいにはスッキリと完結している………はず………!!