自閉症のうた | アロマ心理カウンセラー Rosemary のブログ

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東田 直樹さん著、自閉症のうた を読みました。
 
東田さんといえば、『自閉症の僕が跳びはねる理由』が世界30か国以上に翻訳されて一躍有名になりました。
 
『自閉症のうた』は、『自閉症の僕が跳びはねる理由』の英訳者であるデイヴィッド・ミッチェル氏を訪ねてアイルランドへ旅した時のエッセイ、そのデイヴィッド・ミッチェル氏との書簡、そして東田さんの創作である「自閉症のうた」「旅」という4部構成になっています。
 
 
 
 
自閉症とは、先天的な脳機能の違いが原因となる障害と考えられており、その特徴として、社会性の障害、社会的コミュニケーションの障害、社会的イマジネーションの障害、感覚の特異性などがあります。
 
具体的には、会話ができない(成り立たない)、視線が合わない、物事に強いこだわりがある(同じ行動を繰り返す、ものを並べる、など)、感覚刺激に対して過敏(または鈍感)、などです。
 
こういったところから、自閉症の人は人の気持ちが理解できないのではないか、とか、物事をきちんと考えることができないのではないか、などと思われがちです。
 
ですが、この本を読むと、むしろ自閉症の人の方が私たちより、はるかに繊細で感じ易く、奥の奥まで考えていることがよくわかります。
 
そしてそれを言葉にできないからこそ、人にわかってもらえないもどかしさ、悔しさ、悲しさがあるのでしょう。
 
ところが、人と視線を合わせることができないために、「そっぽを向いている」ように見えてしまうので、まるで何も感じていないかのように誤解されてしまい、それがまた新たな苦しみや孤独感、絶望感を生んでしまうのでしょうね。
 

 
 
東田さんの目を通して見える景色は私たちには見えないような細部にまで描写され、植物や、空に浮かぶ雲までもが、まるで感情を持ち合わせているかのように生き生きと表現されています。
 
読み進めるうちにその情景に包まれていくような、温かさ、優しさがあふれているのです。
 
『自閉症のうた』の主人公 加奈子 を通じて、東田さんがこれまで生きてきて味わった苦しみや悲しみ、挫折を表現しているのかもしれない、と感じました。
 
 
 
 
『旅』は、東田さんがたいへん「死」というものを真摯に受け止めているのがよくわかる作品でした。
 
「死」を見つめるということは「生きる」ことを見つめることと同等なのですね。
真剣に「生きる」ことと取り組むからこそ「死」を受け容れることができる。
「死」を覚悟しているからこそ命には限りがあるということを理解できる。
 
『旅』は私に、「生と死」をもう一度改めて見つめ直させてくれる、そんな作品でした。
 
 
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