仙水へ

ヨナ達はヒヨウの拠点となっている仙水へ向かいます。傷を負ったヨナの体を気付かいジェハはヨナを連れて空から仙水へ移動します。しかしヒヨウが麻薬人形と呼ぶ、薬漬けにされた刺客に狙われることに‥。

刺客はジェハが撃退しますが仙水に着いても宿を探すわけにもいかず、使われていない小屋で身を隠して仲間達の到着を待ちます。あいにく仙水は雨‥。濡れて冷えきったヨナを抱きしめて温めるジェハ‥。

「早くハク達‥追い付くといいね‥」
「‥‥そうだね」

ヨナが本当に抱きしめて温めて欲しいのはハク‥。ジェハはそう感じたんじゃないんでしょうか。空を移動中に交わした軽い会話で、ヨナに自分をどう思っているか問われ言いたくないと返したジェハ‥。

だから僕は
君をどう思っているかなんて
言いたくない‥‥

ヨナを抱きしめるジェハの横顔、めっちゃ切ないです‥。ヨナを守るために、ギガン船長の教えを破り、刺客の急所に暗器を打ち込む眉間にしわを寄せたジェハの横顔もカッコ良かった‥。

一方リリ達は重傷のテトラを連れて水呼に戻ります。父ジュンギに麻薬密売人討伐のために兵を出して欲しいと言いますが、にべもなく跳ね返され、外出を禁じられます。アユラも謹慎中でテトラは絶対安静。リリはひとりで城を抜け出し、仙水へ向かいます。水の部族長の権威の象徴である水の金印を持ち出して‥。

雨の降る仙水に着いたリリは早速ヒヨウの手先に襲われます。四泉の宿でヨナに額を切られた事を恨み、赤い髪の娘を捜しているよう。赤い髪でなくても同じ年頃の娘を手当たりしだい襲っています。

そこへ通りかかった傘をさした長身の男。敵ふたりの剣を傘でひょいひょいとかわします。

「雨ですから走ると滑りますよ」
「落ちついて。怒りっぽい人ですね」

この口調‥、柔らかく束ねた長い髪‥。
あの人では‥。

スウォン、キターーーーッ(≧∇≦)♪

特にスウォン推しでもないですが、上がる展開です。なぜかスウォンが登場すると毎度叫んでしまいます‥。ヨナの想い人、ハクの大親友にして今ではそれぞれ親、恩人の仇ですからね~。阿波の時も大興奮の鉢合わせでしたが、今回も期待できます。

今回もジュドとムア、ギョクを連れてお忍びの偵察に来ていたスウォン。すぐにリリが水の部族長の娘と気付きます。スウォンは水呼の商人ウォンと名のり、リリの用心棒を買って出ます。

スウォンはリリの素性に気付いたのですが、リリはスウォンの事を全く知らない様子。スウォンは即位前に水呼城の祭に訪れたとの事なので、その時リリを見たのでしょう。

その時リリはどうしていたんですかね?ヨナ達に会うまでのリリは世間知らずのお嬢様で、招待客をいちいち覚えていたりしなかった、と言うことでしょうか。そんなお嬢様が自ら水の部族の民を救おうと行動を起こしただけ見事だとも言えます。

このナダイ関連のくだりはリリの成長もテーマのひとつでしょう。なんと言っても主役のヨナがもはや成長し切っていますからね‥。唯一のびしろの残っている恋愛部分に大いに期待しています。

スウォンの申し出を受け入れ、甘味処でひと休みしながらこれまでの経緯などを説明するリリ。

甘味処へ向かう途中、同じように仙水に入っていたヨナ一行と出くわしそうなニアミスが‥。しかし両者の遭遇はまだ先です。

護衛もなく危険な町にやって来た自分の行動を、スウォンに無謀と思われてると感じるリリ。しかし‥

「無謀でも、現状を打破しようと力をつくしはしる者を、愚かだと私は思いません。あなたが本気で水の部族を想うなら、ためらわず出来る限りの事をするべきです」

スウォンの言葉に目を潤ませるリリ。

「見かけによらず、きっぱりものを言うのね。ひょろひょろしてるから中身もそうかと思ったわ。でも勇気、出た。ありがと」

かつてハクがスウォンの事をこんな風に評していました。

スウォンは見た目にそぐわず大きくてキラキラした光のようヤツだから、こいつには何かをひっくり返す力があるんじゃないかって、それに気付いてしまったらみんな近付きたくて仕方ないんだ。

リリもこの時『キラキラした光』を少し見たんじゃないかな。すぐにデレたりするリリではないですが‥。

リリは麻薬密売組織と闘っている旅芸人達が仙水に来ているはずだから合流したいとスウォンに話します。ヨナ達のことですが、リリと同じ年頃の女の子もいると説明しても、それがヨナだとはもちろん気付くはずもないスウォン‥。

宿に落ち着いたリリとスウォンらでしたが、階下から大きな物音と悲鳴が聞こえ、スウォンはジュドを伴って様子を見に行きます。黒い戒帝国の服を着た長身の男に腕を後ろにねじ上げられている宿主。双刀の柄に手を掛けるジュド‥。

男は宿主が毒入りの酒を所持していると言います。スウォンはすぐにナダイであると気付きます。宿主は三番地のホロウという店で酒を手に入れたとのこと。

「とりあえず捨てちゃいましょう」
「そだね」
ドボドボ(酒を床に流す音)
「この宿の酒、全部調べて‥」
「んー、どれだか分からないですね。全部打ち割りますか」
パリーン(酒を並べた棚から取り上げた酒瓶を割る音)
「あっ、見てください。凄いお酒がありましたよ!幻の翡翠酒です」
「なんとゆゆしき酒だね。回収しておこうかな」
なははははー

通りすがりの怪しい男と馴れ合うスウォンを心の中でなじるジュド‥。

この町と宿は危ないから早く去った方が良いと言いおき、男はあっと言う間に姿を消します。もう少し話を聞きたかったスウォンはがっかりします。

それを聞いたリリは更に悔しがります。スウォン曰く、珍しい緑の髪で華やかなかっこ良い人だったとのこと。合流したいと思っている旅芸人の一人に違いないと言うリリ。

男とはもちろんジェハなのですが、このスウォンと出会うシーン、すごく好きです。相手の素性を知らずに仲良くなっちゃう、阿波でハクと出会った時もこんなんじゃなかったでしたっけ?まあ‥ハクはほぼ迷惑がっていましたけど‥。

ヨナとスウォン、会いそうでなかなか会わない‥。昼間、町中でもそうだったし、ジェハが宿にいたのもヨナ達が宿を探して立ち寄っていたためでした。リリ達で満室になったため泊まれなかったのです。

リリがヨナの話をしたのに名前とか赤い髪のこととか言わなかったので気付かない、ジェハと接触したけどお互いの素性を言わなかったので当然気付くはずもない‥。

ハラハラするすれ違い、これもまた阿波と似た展開‥。またかと思ってもこういう展開って引き込まれます‥。

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