昔の大切だった人との夢を見て。
あの時の何が素晴らしかったって、
彼女はいつも世界は美しいと信じて疑っていなかった。
世の中はそんなに上手くいかないし、悪い人だって沢山いるし、自分の上手いようになんていかないんだけど。
彼女は何も信じなかった。世界はキラキラしていて、世界にはいい人しかいなくって、世界は夢であふれているんだって信じて疑わなかった。
その考えは若すぎるって思ったし、いつかは消えてしまう気がしたけども。
彼女の見せてくれる世界はいつも綺麗で、当時もう夢もあきらめて平凡な毎日を過ごしていた僕には輝いて見えた。
僕は彼女がいつまでも綺麗な気持ちでいられるように、やれる限りの事はした。
だけどやっぱり社会って残酷で、彼女が少しずつ社会に染まっていくのを感じた。
少しずつ会社のグチを言うようになったし、夢をあきらめ始めたし、世の中はそんなに上手くいかないような事を言い始めた。
僕はそんな彼女と別れてしまった。それはすごい罪で、僕は彼女とずっと一緒にいなかった。
だから、僕は夢を追うようになった。
世界は美しいし、良い人しかいないし、世界は夢であふれてるんだって、見せてあげたかった。
僕なんてどうなったっていい。死んだっていいと思った。
けれど現実は厳しくて
世の中は自分一人じゃどうする事も出来なくて、途中で逃げて目的もすり替わってしまった。疲れてしまった。
時間が経って、彼女の記憶がドンドン薄れていって、僕は夢をあきらめかけたけど。
夢とか、そういう次元の話ではない事を思い出した。
世界がどんなに汚れてようが、どんなに人が腐ってようが、どんなに自分に才能がなかろうが、そんな事は全部どうでも良くて、
世界は希望であふれてて、世界は美しくて、人はみんな良い人で溢れかえってるって言いはらなきゃいけなかったんだ。
本当にヘドが出るくらい世の中はクソ野郎が多すぎて、言い訳ばっかりしやがって、私利私欲で動いてるのに、自分を正当化して誤魔化してる奴らばっかで、むしずが走ったけど。
そんな奴ら知るかって感じ。勝手に闇に飲み込まれてんじゃねえって話だ。
一回、闇堕ちしてヤバかったし、今は楽器屋で働けて幸せな生活を出来てるけど。
現実的すぎて、現実にはまったハッピーエンドはいらない。なら彼女といた時の方が幸せだった。
僕だけは狂ったように、世界は希望であふれているといい続けなきゃいけない。彼女が見せてくれたキラキラした笑顔をずっと忘れてはいけない。
彼女が世界は希望であふれてると信じ続けられるように、もう一度頑張ろうと思う。
忘れないように日記に書きます。
そして宣言します。