わたしのなかのわたし | 八ヶ岳の魔女メイの森暮らし

八ヶ岳の魔女メイの森暮らし

八ヶ岳にて森や野山や野生動物たちと
仲良くしながら
魔女的森暮らしを実践している
メイからの日々のお便り

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作家の泉ウタマロさんにお願いしていた

パーソナルストーリーが

出来上がりました。


パーソナルストーリーとは

ウタマロさんご本人が、私の魂と繋がり

そこから語られる物語を

綴ってくださるという

それはそれは贅沢な企画なのです。

(人気企画の為、現在募集はストップ中です)


↓パーソナルストーリーについてはこちら

時空を超えた現場取材



中は文章のエネルギーによって

紙の色が変わってくるという、

ものすごくこだわって丁寧に制作されたパーソナルストーリー。

ウタマロさんのお人柄が感じられる一冊です。

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・・・


ウタマロさんが私のパーソナルストーリーを書いてくださった二日後、

私は、とある一歩を踏み出しました。



今まで華道の世界にいたところから、飛び出して

自由な世界からの花の会をスタートしたのです。



私にとって花の道とは、不思議なご縁で

やりたい!と思って入った世界でもなくて、

気が付いたら、そこにいた、そんな感じでした。

遠ざかろうとしても、辞めても、なぜだかそこに引き戻されるのです。




今回も、すっかり忘れていたころに、講師の依頼が舞い込みました。

でも、どうしてまた

花をすることになったのか、理解できませんでした。

それと同時に、楽しく流れにのるタイプなので

よーしやっちゃおう!という気持ちも持ち合わせていました。



そして、花の仕事の中から寄付もしていきたい。と考えていたので

花の会の当日の朝、

どこに寄付をしようかなぁ、と考えていたそのとき


三日前に、earthの千栄さんに

今、動物たちが、畑に降りてきて、農作物を食べてしまっている。

人間たちは、農作物を守るために、電柵などを使って

景観も損ねてしまっているように思う。
(私が実家で感じた想いです)

山を豊かにすれば、人と動物は仲良くなれるのになぁ

なんて話をしていたことを思い出し、




あ、そうだ、山を豊かにするところに寄付をすればいいんだ!



そう思った瞬間、

私の中で全てのピースが繋がり、衝撃が走りました。

私は自分の魂の使命に気付いてしまったのです。


人と自然を繋ぐことで、山や森の自然たち、そしてかかわる人たちを
豊かにするために
私はここにいたのです。


私は、それに気づいた瞬間、涙が溢れて止まりませんでした。

それと同時に
植物達が応援してくれていることに気が付きました。


↓その花の会のレポートはこちら

花の会
shantiブログ 花の会



このとき、

ウタマロさんが私のパーソナルストーリを書いてくださっていたことを

知りませんでした。


そして、ウタマロさんも

私が花の会を始めたことを知りませんでした。

というより、私とお花のかかわりをご存じありませんでした。



そして、私がFacebookに花の会のレポートをアップしたとき

ウタマロさんに衝撃が走りました。


パーソナルストーリーの中の彼女が

今世の私に託したメッセージ通りのことを

私がスタートさせたからです。



・・・・・・


宇宙は完璧で素晴らしいタイミングで

私達の人生を演出してくれていますが


今回の出来事は、


想像をはるかに超えた出来事でした。


・・・・・・


その奇跡のような瞬間にうまれた物語を全文ご紹介したいと思います。


・・・・・・

≪草地の中で生きて≫


そこは町からそう遠くない、森の草地の中でした。

(場面は中世ヨーロッパのようです)


彼女の茶色の髪は風を受け、午後の光をあびています。

やわらかな微笑み、白い首筋。


=その乙女があなたでありました=


草地では小さな花々、虫、白い草の穂が世界をつくっています。

すべてが穏やかで、価値があり、尊い存在なのでした。


やがて夕方が近づくと、町から遊びに来ていた子どもたちは、

喚声をあげて走って帰って行くのです。


彼女は立ち上がってそれを見送りました。


彼女の洋服は母親譲りのとても古いものでした。

けれども着心地のよいものなのです。


足は、はだしでいつも大地を感じています。

それもとても心地の良いことでありました。


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石と木でできた古くて暗い家の奥で、彼女の父が寝ています。

彼はもう何年も寝たきりの生活だったのでした。


父親は彼女が嫁いで行かないことを、とても心配しているのです。


「お前にわしの犠牲になって欲しくないんじゃ」

彼は度々言いました。


すると娘はその都度言います。

「なんてこと言うの! 父さん!」


彼女は粗末な部屋の中を見渡します。

そこはとても幸せな場所なのでした。


古いテーブル、暖炉、わずかな鍋と食器。

農作業用の縄、乾燥させたハーブ類・・・。


暖炉の上には、亡くなった母の小さな絵が飾られてあるのです。

彼女にはこれだけで十分なのでした。



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=実のところ、彼女は養子でありました=


幼い時、彼女は本当の両親と船に乗っておりました。

けれども海が荒れ、気がついた時、彼女は浜辺に倒れていたのです。


船が沈没していく、その恐怖の記憶を、彼女は自ら消しました。

他の人たちがどうなったのか、知る由もありません。



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彼女を見つけた夫妻には、子どもがおりませんでした。

彼らにとって幼いこの子は、神からの授かりものでありました。

だからこそ、とても大切に育てたのです。


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成長した彼女は花と会話することができました。

木々や、草ともできました。

でもそのことは秘密です。なぜならいらぬ誤解を生むからでした。



白い花は優しさ、青い花は聡明さ、オレンジの花は明るさを現しておりました。

彼女は深く彼らを愛し、彼らも深く彼女を愛していました。



花が何かを現す時、彼女には花の周りにやわらかなエネルギーがほんわり見えます。

彼女は香りをかぐように、その意味を理解しました。

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草花は彼女に様々なことを教えてくれます。


「私を摘んで町に行きなさい。

あの角の女性が、つわりで苦しんでいる。

私を煮だして飲ませてみなさい・・・」


彼女がそのとおりにすると、薬草はとても効きました。

町の女性はお礼にチーズをくれました。


またある時、葉っぱが言いました。


「私をすりつぶして町へ持って行きなさい。

足の傷が化膿している男に会うだろう・・・」


薬草はとても効きました。男は感謝し、彼女の家の屋根を直してくれました。


そして草花に潜む精霊たちは、嵐が来ることも、日照りの夏が来る時も、

前もって知らせてくれたのでした。

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ある時、花々は昼間だというのに一斉に花びらを閉じ、彼女に何かを示しました。

それは今までにない信号でした。


空は不吉な土気色です。


「父さん、何かがきっと起きるわ。逃げましょう!」

彼女は必死で言いました。


ところが父親は切れ切れの声で言うのです。

「お前一人で行きなさい。わしは動けない・・・」


娘が泣きながら懇願すると老人は再び言いました。

「だめじゃ、行くんじゃ。お前はわしらの愛の結晶なんじゃから・・・」


それを聞いた時、娘は覚悟を決めました。

そして痩せて背の高い老人を無理やり担ぐと、

必死になって森の奥の小さな洞穴に逃れました。


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その後のことは・・・まるで地獄のようでした。

森が焔に包まれたのです。

南風にあおられ、高いこずえでさえ火の粉になっていきました。


精霊たちは悲鳴と絶望の声を上げ、草原は熱で萎え、

彼女の家も土台を残して燃えつきたのです。


彼女にとって、そこから数日間はまるで朦朧と過ぎ去りました。

父親は洞穴で静かな最期を迎えました。



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父親を埋葬した彼女は茫然としてその地を見ました。

笑っていた草地も、風を吹かせていた木立も、

細い指先で雲を掴もうとしていたこずえもありません。


黒焦げの匂い、残骸、死だけがありました。

彼女はどうすることもできずに、そこに立ちつくしておりました。

するとそこを馬に乗った町の男が通りかかったのです。


「これは大変だ。町で暮らすといい。もうじき冬がくる」


娘は町が好きではありませんでした。

けれども全てを失ったのです。

精霊たちがいなければ、生きて行くことはできません。


彼女は助言に従いました。


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町での暮らしは想像以上に悲惨なものでありました。

彼女は下働きの仕事をするしかありません。

掃除、水汲み、洗濯、子守、調理・・・。


汚れた食器、怒号、感情のぶつかり合い、  悲しみ、嫉妬。

冷たい汚れた水、利己的な欲望、病気、偽り、だまし合い・・・。


それらの強烈な濁ったエネルギーがそこかしこに充満しているのです。

彼女は息をするのも苦痛でした。

それでも外は吹雪です。行くあてもないのでした。


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やがて冬が終わった時、彼女の精神は限界でした。

そして黒焦げになった森に戻ろうと、とうとう決心したのです。


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ようやくそこへ戻った時、彼女は驚きの涙を流しました。

森は再び緑でした。

黒焦げの幹の間から新芽がのぞき、地面はやわらかな春の草に覆われ、

小さなつぼみもありました。

森は死んではいませんでした。

彼女は駆けて行って皆にあいさつし、歓び、抱きしめ、泣きました。

そして心の限りに叫びました。


「精霊は生きていた!精霊は死ななかった!」


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やがて彼女は元いた場所に家を造っていきました。

粗末なものではありましたが、それはとても幸せなことでした。

再び暮らしがはじまりました。

再び愛が息づきました。


**物語はここまでです**********


=魂のあなたから、今のあなたへのメッセージ=

私はこの人生がとても幸せでした。

私は普通の人たちが欲しがるものを何一つ持ってはいません。

でも、普通の人たちにはないものを、はるかにたくさん得たのです。


私は、花、鳥、空、雲。

そして・・・太陽、月、星、宇宙の風の言葉を理解できました。

それはとても小さな声です。

ささやくようで・・・でしゃばらず、まるで耳元の愛の告白。

人間は昔、誰しもその力がありました。

今ではほとんどの人が忘れていますが・・・。



今のあなたは、この人生の私によく似ています。

そして、大地の愛、空、風の詩を理解しています。

あなたはそれを書きとめることができます。

そして、それをつぶやくこともできるのです。

あなたの中にある、小さなハードル。

それが何だか私はよく知っています。


でもあなたの小さな想いは、人々と大地、   天を結ぶ架け橋です。

架け橋がたくさん必要です。

架け橋になってください。

::::::::::::

私はあの森の中の人生で、老いるまで幸せに一人で暮らしました。

でも私が感じていた魔法のような力は、私一人きりのものでした。



それは幸せなことではありましたが、

次はそのすばらしさを人々と共有したいと願いました。

これが、この人生での最後の願いとなりました。

それを・・・あなたに託します。



愛をこめて*************




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素晴らしいパーソナルストーリーを書いてくださった

ウタマロさんに心から感謝いたします。