去年
バイク事故でこの世を去った
キックボクサーのコウイチと
最後に一緒に過ごした時間を鮮明に思い出す
狭い銀座のママさんの店で
みんなで新年会をしていた
「みゆき、ここ、座って」
自分の真横のソファをとんとんと叩くコウイチ
コウイチはその前の年に結婚をしたばかりで
息子を授かったばかりだった
引退試合のチケットを受け取った時に聞いた
その時のことも
今でも鮮明に思い出す
いや
きっと
死んじゃったから
鮮明に思い出せるのかもしれないね
話を戻すと
コウイチの横に座った私に
真剣な顔で
「美由起！美由起はね
ぜーーーーったいに幸せにならなきゃダメ！！！」
て言ってくれた
「よし！！美由起、今年の目標は彼氏をつくろう！」
わたし
「いや。。実は出来たんだよね」
※今の旦那ではないけど当時彼氏がいました
コウイチ
「マジ！！！！？？？すげえ！！おめでとーーーーーー」
自分のことのように子犬みたいな笑顔ではしゃぐコウイチは
更にこんなことを聞いてきた
「ねえねえ、美由起はその人との子供を産みたいと思う？？
俺ね、今の奥さんに出会った時にそれを思ったの！！
そう思えるかが大事だよ！
もしそう思えたら・・・迷わず子供をつくろう！」
苦笑しながら頷くわたしの肩を抱いて
「よし！！！今度その男連れてこーーーい！！俺と卓球の勝負だ！俺がいい男かどうか卓球で見極めてやる！」
「いや・・コウイチそもそも私にすら卓球勝ったことないじゃん（笑）」
「あははは」
それが最後
そしてコウイチはあの世にあっさり逝ってしまった
でも
コウイチに言われたとおり
その年に彼氏をつくり
子供をつくったよ
今思えば
あの時のコウイチの言葉が私の背中を押したのかもしれない
この人の子供なら産みたいかどうか
すごーーーく本能的な選択
そして
何よりも
宿した時よりも
産まれた時に
その確信は強まった
コウイチ
ちゃんと約束守ったよ
きっとニコニコ笑ってみているね
馬鹿だな
ちゃんと赤ちゃん抱っこしてよ
卓球だって勝負してよ
そして誇らしげに
美由起でかした！
て
言ってみせてよ。
ありがとう
本当にありがとう
Dear my soul mate.
