破れる約束って、いいなと思う。
こんなことを書くと、ずいぶんいい加減な人だと叱られそうだけど。
来週会おうとか、いついつに飲みに行こうとか、今度旅行しようとか。
そういう類の約束をちゃんと守りたくなるのは、
極論どこかで破っても大丈夫、と安心して呼吸できるスペースがあるからな気がする。
決して、約束は破ってもいいんです、と肯定している訳じゃない。
でも、そこには確かに独特な信頼関係がある、気がしてしまう。
そもそも好きな人にしかお伺いは立てない。
会いたいから予定を合わせる。そこにはお互い多少気力がいる。
でも、分かっていても、酷く疲れていて、これは外に出ても元気だせないし、返って迷惑かも、って時もあって。
そんな時、そういう気持ちをただそのままの意味で理解してくれたり、
それもわかった上で連れ出してくれる人たちは最高だ。
約束、も大事にしてくれているけど、それ以上にわたしを想ってくれていることが、思わず嬉しい。
逆のことがあったら、わたしも100倍の鮮やかさと純度で返したい。
最初に言った破れる約束。
ある小説を読んでいたら、
結婚することになっていた恋人が、結婚を先延ばしにして、同棲からはじめよう、と言うシーンがあって。
君のことは今も変わらず好きで、ちゃんとご両親にも、僕の勝手を謝りにいく、と。
結婚を、少し先延ばしにするだけだ、と。
その女性は動揺して、わたしもそれはないだろう、と思ったけど、でも男性の気持ちもわかった。
生きてると、どんどん流されるから、好きな人と出会ったら杭を打ってそこに留まりたくなる。
それは、きっと、素敵なことだ。
だけど、自分自身を、信じてくれているのか、未来を約束したから、信じてくれたのか。
多分こういうのは、一度考え出すと、大変に難しい。
同じようだけど、それは、やっぱり、あきらかに、違うんだと思う。
想っているだけじゃ伝わらない、本当に大事ならそれをちゃんと言葉にして欲しい、と泣いてみたり。
言葉ではなんとでも言えるから、と言葉を音にして心に招き入れ、その奥にある真意を探ろうとしたり。
人間は忙しい。とっても。
自分がシンプルであろうとしても、相手がそういうタイミングじゃなかったら、それを保つのは困難だし。
逆もまた然りだ。
人ってとても面白いなって思う。
もっと面白いもの探しに、ちょっと出かけたい気分。
春だしね!