目を瞑って、5つ数える。

 

ゆっくり瞼を開ける。

 

そこにはやっぱり、当たり前に、2018年8月17日がある。

 

 

彼女は、あの日、何度も将来が未来が不安なの、と言った。

 

私は彼女が好きだし、その感じがどういう感じなのか、理解はできる、から、

否定も肯定もせずに始発が動き出すまで、じっとその話をお店の隅で聞いていた。

 

きっと明日の朝、記憶を失くした彼女から、

ごめんね、と、ありがとう、のメッセージが送られてくるんだろうなぁ、と思いながら。

 

電車に彼女を乗せたあと、一人で歩いて帰りながら、

私は将来に不安を正しく感じたことがあるか、と考えてみた。

 

汚れていく地球や、遠い国の戦争、生まれてくる新しい命のことを思うと、言葉を失くす。

 

だけど、彼女が言っていたことと、それは別な気がした。

 

不安。

 

不安?

 

不安って何?

 

これから先、幸せになることがほとんど保証されている。

 

いちいち笑ったり嬉しがったり愛し合ったり、する。

 

そして、同じ分だけ、またはそれ以上に、絶望することも保証されている。

 

どうしようもなく傷ついたり、声を枯らして泣いたり、欲しがったり、裏切られた、と誰かを憎んだり。

 

そういうことひとつひとつが、私を待っていることが、

どうしようもなく、めんどくさい。

 

だから私は時々目を瞑る。

 

目を瞑って、5つ数える。

 

ゆっくり瞼を開ける。

 

開けたら、歳を重ねた自分になっていたりしないかな、って、何度でも期待する。

 

いちいち笑ったり、いちいち泣いたりした後の自分までタイムスリップしたい。

 

なんて、ね。

 

ゆっくり瞼を開けても、そこには5秒前と同じ景色しかない。

 

空車のタクシーが走って来るのが見えて、黙って手を上げた。

 

 

でもやっぱり、それが待っていてくれることが、嬉しい。

 

2019年2月24日、大阪城ホールでワンマンライブします。

 

“家入レオ 7th Anniversary Live at 大阪城ホール ~Premium Symphonic Night~”

 

デビュー7周年を記念して。

 

オーケストラの皆さんと。是非遊びに来てね。

 

詳しくはここから