作家の橘玲さんが、鈴木大介氏の『最貧困女子』(幻冬舎新書)と中村敦彦氏の『日本の風俗嬢』(新潮新書)を題材に現代日本の貧困について考えてみたという記事、

  風俗嬢にもなれない「最貧困女子」問題の解決法とは?
   [橘玲の世界投資見聞録]2014.12.25

 から、私が感じたことを書いています。

 
 ・風俗嬢にもなれない

 現役の風俗嬢で風俗に関わる女性の支援をしている知人から、「誰でも風俗嬢になれると思ったら大間違いです。」と言われたことがあります。

 え?

 女性が金銭を得る最終手段は自らの身体を売ることだと思っていた私は驚きました。

 風俗嬢になっても十分なお金が得られず、そもそも、なれない女性がたくさんいるというのが今の日本のようです。

 一流大学に通う美人の女子大生が風俗店で働くのも珍しくないとか。

 「セックスのデフレ化」だそうです。

 レディースクリニックに勤務していると風俗業界にお勤めの方も通院されることが少なくないですが、お店の質も様々だと感じます。

 月に一度の性病検査を義務付けているようなお店から、とりあえずピルを飲めというお店。

 「タバコを吸っているとピルは効かないから飲まなくていい。」なんていう、わけのわからない理論を持ち出すお店まであります。

 彼女たちの服装や持ち物を見ていると、多分、収入にかなりの開きがあるだろうなと想像できます。

 この記事の中でも、『かつては身体を売ることが女性にとっての最後のセイフティネットとされていたが、今では風俗で働けなくなった女性のセイフティネットが介護業界になっている。』と書かれています。

 そして、かつて私たち看護業界は「きつい、汚い、給料安い」の3Kだと言われていましたが、さらにそれを上回ると言われる介護業界が現在のセイフティネットだと。

 
 ・売春の合法化

 記事にあるように売春の合法化もセックスワーカーを守るための一つの手段だと思います。

 記事では、『労働基準法でセックスワーカーの権利を保護し、年金や健康保険など社会保険制度への加入を促し、業者を法の管理下に置くことで暴力団の関与を絶って適正な納税を行なわせれば、(顧客を含む)関係者全員に多大な利益をもたらすはずだ。』と書かれています。

 合法化して、労働基準を設けることで、より安全な環境で働くことができれば良いのかなと思います。

 現状、日本では、売春防止法、風俗営業法があるがためにコンドームの使用を促すなどのセーファーセックスの啓蒙ができない状態なんですね。

 売春してはいけないのだから、セックスをしていないことになっている、だからコンドームは必要ない。

 現実はセックスをしている。

 禅問答のような状態なんですね。


 次回は福祉の民営化について書きたいと思います。




 <募集中の講座>

 プロのためのホルモン講座第9期
 2016年1月開講 土曜日コース 10時から13時 全5回
 2016年  1月23日  2月27日  3月26日 
        4月23日  5月28日

 
『プロのためのホルモン講座@さいたま』
 2016年1月開講土曜日
 1月16日 2月20日 3月12日 4月16日 5月14日  
  10:00~13:00 【講座後にランチ交流会あります】
 
『プロのためのホルモン講座 二日間集中講座in京都』
 2016年 2月12日(金)13日(土)