今朝の東京は積雪の影響でとんでもない状態でした。

 私も雪靴履いて徒歩通勤。

 雪に弱いです、東京。



 さて、やっと前回の続きです。

 アルツハイマーとインスリン抵抗性と男性ホルモン その2

 日経ビジネスオンラインの記事からです。

 男性ホルモンは「認知症」にもパワーを発揮 アルツハイマー病と糖尿病とテストステロンの関係 2016年1月8日

 前回は認知症の分類と増加しているアルツハイマー型、そしてその原因とされているアミロイドβたんぱくについて書きました。

 今日は、アルツハイマー型認知症とインスリン抵抗性の関係についてです。

 アルツハイマーになる人とならない人の違いは?


 ・インスリン抵抗性

 ここで関係性が見られたのが、インスリン抵抗性だそうです。

 インスリンは、膵臓のランゲルハンス島で作られるホルモンです。

 このホルモンの役目は、体内の血糖値を一定に保つこと。

 食事など外から栄養をとると体内の血糖値は上がります。

 すると膵臓からインスリンが分泌されて、筋肉などにブドウ糖を取り込み、血糖値を下げます。

 インスリン抵抗性とは?

 血糖値の上昇に反応してインスリンは分泌されるのですが、正常に働くことができず、ブドウ糖を取り込むことができないため血糖値が下がらない状態です。

 血糖値が下がらないので、さらにインスリンを分泌することになります。

 例えば、正常な状態で10あれば血糖値が下がるのに、インスリン抵抗性があると20ないと血糖値が下がらない、そんな状態です。

 血糖の上昇にインスリンの作用が追いつかなく、高血糖が持続するのがいわゆる糖尿病(2型糖尿病)です。

 糖尿病とまではなっていない予備軍の方もたくさんいます。

 ただ、インスリン抵抗性があると体の中には通常より多くのインスリンが分泌されているわけです。


 ・インスリン分解酵素とアミロイドβ

 体内に分泌されたインスリンは、やがてインスリン分解酵素によって分解されます。

 このインスリン分解酵素、実はアルツハイマーの原因と言われるアミロイドβたんぱくも分解してくれるんです。

 つまり、インスリン分解酵素には、インスリンを分解する働きとアミロイドβたんぱくを分解する働きがあるということなんです。

 インスリン抵抗性がある体内では、通常より多くのインスリンが分泌されています。

 すると、そのインスリンを分解するためにたくさんのインスリン分解酵素が必要になります。

 その結果、アミロイドβたんぱくを分解するインスリン分解酵素が減り、アミロイドβたんぱくがたまりやすくなる。

 インスリン抵抗性があると、アミロイドβたんぱくがたまりやすい。
 
 つまり、アルツハイマー型認知症になりやすくなるということになるんです。

 糖尿病とその予備軍の人たちがアルツハイマー病を発症するリスクは、血糖値が正常な人に比べて実に4.6倍も高い(老年期認知症研究会誌2011;18:20-4)と日経ビジネスオンラインの記事には書かれています。

 では、男性ホルモンとの関わりは?

 続きは次回に。





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