久しぶりに予防接種の話題です。

 子宮頸がんワクチン、いまだに副作用に苦しんでいる子供達がいます。

 副作用の原因、機序を解明して、治療法が早く見つかることを願うばかりです。

 そんな中、子宮頸がんワクチンを受け健康被害が出た患者の8割に同じ遺伝子がみつかったというものです。

 毎日新聞より。

 
 子宮頸がんワクチン 脳機能障害、患者8割が同じ遺伝子
 
毎日新聞2016年3月16日


 子宮頸がんワクチン接種後の健康被害を訴える少女らを診療している厚生労働省研究班代表の池田修一信州大教授(脳神経内科)が、脳機能障害が起きている患者の8割弱で免疫システムに関わる遺伝子が同じ型だったとの分析結果をまとめたそうです。

 調べたのは、細胞の表面にあるたんぱく質で、体に入る異物を攻撃する目印になる「HLA-DPB1」。

 この目印の型を調べた結果、「0501」の型の患者が信州大で14人中10人(71%)、鹿児島大で19人中16人(84%)を占めたそうです。

 「0501」は一般の日本人の集団では4割程度とされていて、患者に71%、84%という割合が出ているのは、型に偏りが見られたととれます。

 「HLA-DPB1」の型が「0501」の人は脳機能障害という副作用が出やすいと考えられるということです。

 この研究班は複数のワクチンをマウスに接種する実験で、子宮頸がんワクチンを打ったマウスの脳だけに神経細胞を攻撃する抗体が作られたとという研究結果もだしています。

 人間の場合は、「HLA-DPB1」の型が「0501」の人の脳に神経細胞を攻撃する抗体が作られたということでしょうか。

 日本人の4割が「0501」型なので、4割の人に脳機能障害と言う副作用が出る可能性がある?のでしょうか?

 また、HLA型には人種 差があるということなので、国ごとに違う副作用発生率を比較するのに役立つ可能性があり、新たな知見が得られるかもしれないともかかれています。

 「HLA-DPB1」の型が「0501」の人は、日本や中国、オーストラリアなどで多い一方、欧州や北米では低い傾向があるそうです。

 なので、欧州や北米と、日本・中国・オーストラリアの副作用の出方は同じではないと考えられます。

 欧州や北米で大丈夫とされても、日本も同じだとは言い切れないということでしょうか。

 子宮頸がんと免疫・遺伝子との関係の研究、さらに深く解明されることを願います。

 




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