あまりにもブログを書いていないことに自分でも驚いているil-manoです。

 申し訳有りませんでした。

 少し頑張りたいと思います。(少しかい?とつっこまないでください。)

 久々の更新の内容は「母乳育児と更年期」。

 プロのためのホルモン講座でもご紹介している母乳育児と更年期との関係。

 受講者さんの質問からもう一度見返してみました。

 2007年の 大分県立看護科学大学助産学研究室の梅野貴恵先生の論文で「母乳育児期間と更年期症状の関係についての検討 : 人工栄養育児との比較から」があり、この中で1年以上の母乳育児経験を持つ女性は、人工栄養育児を行った女性に比べ更年期症状の発現が少ないという結果を導き出しています。

 この論文の時点では、なぜ更年期症状が軽くなるのかという点はイマイチ曖昧でした。

 それがその後の研究(母乳育児中の女性の血中ホルモンの推移)で、「母乳育児を継続中の女性のエストロゲンは、産後から低値で、閉経後の女性のエストロゲン値と近似している」ということがわかり、

 「母乳育児経験のある女性は、更年期以前に生理的な低エストロゲン状態を長く体験していることから、更年期のホルモン変化に対する順応性をもつのではないかと」と考察しています。

 母乳育児中はエストロゲンが更年期と同じくらい低値になり、その状態を経験しているから、更年期に順応しやすいということですね。

 この理論は腑に落ちます。

 梅野先生は、今年は「40~50歳代閉経前女性の授乳経験と脂質代謝・動脈硬化や更年期症状との関連-授乳婦と非授乳婦の比較-」という論文を発表されています。

 「長期間乳汁を排泄することは、母体にとって良い糖代謝サイクルを産みだすと考えられ、授乳中の脂質代謝サイクル(授乳期には母体が摂取した食事や母体内に蓄積された脂質は、乳汁生成過程を通して母乳中に排泄される)は産後の母体の生体メカニズムを整える(体重減少やダイエット効果など)作用があるのかもしれない」と考察されています。

 母乳育児によって、母体の糖代謝も脂質代謝も良い方向に向くなんてすごいですね。

 まだまだわからないことだらけですが、やはり人の体のメカニズムに驚かされるばかりです。

 (質問をしてくれた子宮と身体のココロ塾 結 せいのさん、ありがとうございます!)