ホルモンとからだの学校ilmano 助産師の赤堀眞里です。

普段、生殖医療の現場で働いています。

私が危惧しているのは女性より男性。


「男の妊活 」と題してTENGAメンズルーペ、男性不妊の原因などを紹介しました。

今日は男性不妊外来について書きたいと思います。


男性不妊外来が必要とされ、男性不妊外来をかかげる医療機関も増えています。

では、男性不妊外来ではどんな診察・診療を行っているのでしょうか?


男性不妊外来を担当するのは主に泌尿器科の医師です。

男性不妊外来では精液検査と泌尿器科的な診察が行われます。


精液検査は男性不妊外来でなくても生殖医療の施設では一般的に行われています。

精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態などを調べていきます。

WHOの基準などをもとに評価していきます。


基準値

性液量

1.5ml以上

pH

7.2以上

精子濃度

15×1,000,000以上

総精子数

39×1,000,000以上

精子運動率

40%以上

高速直進運動率

32%以上

精子正常形態率

4%以上

精子生存率

58%以上

白血球数

1×1,000,000未満


泌尿器科的な診察としては、先ずは問診から。

前回男性不妊の原因で書きましたように、小児期に停留睾丸、ヘルニア、おたふく風邪など不妊症に関連する病気にかかったり手術をしたことがないかや、性欲や勃起や射精などの現在の性生活の状況について確認をしていきます。

次に、精巣などの外陰部の診察です。精巣サイズの測定、男性不妊症の原因として最も頻度の高い精索静脈瘤の有無などを視診触診していきます。


ここまでで大まかなチェックが終わります。

その上で、必要に応じてホルモンの検査などの血液検査をしたり、染色体や遺伝子の検査をする場合もあります。


男性不妊外来は男性に関する検査を包括的に診てもらえます。

妊娠を望んでいるのであれば、是非受診していただきたいです。

受診する意味は大きいと思います。