新渡戸稲造『帰雁の蘆』(1907)が届いた。
新渡戸といえば五千円札か、もしくは世界的なベストセラー『武士道』ですよね。
この『武士道』をものした頃について振り返っているエッセイが『帰雁の蘆』。奥付みるとこの本もすごい売れたっぽい。
日本で体調を崩した新渡戸はアメリカに転地療養に向かう。そのあいた時間を積極利用しようと『武士道』を書き上げるんだけど、新渡戸の体調を回復させたのは、当時アメリカの新治療オステオパシーだったらしく、そのあたりの顛末がこの本には綴られていて、それを見たいがために取寄せた。
オステオパシーは山田信一『山田式整体術講義録』(1920)によって記述されたのが日本では最初だとオステオパシー団体の沿革などにはいまでもそうなってるけど、技術的なことはそうかもしれないけど、その前がいくつかある。
新渡戸のこれがそうだし、新渡戸が口説いてオステオパシーをおぼえさせて日本へ連れてきたたリードさんという人が一橋大学で講演した記録が『婦人衛生雑誌179』(1904年。つまりこれがいちばん古いのではないか)に掲載されている。さらにはその新渡戸邸にオステオパシーを受けにいった中山静池という人の談を載せている古屋鉄石『催眠術治療法』(1907)というのも国会図書館デジタルコレクションで読むことができる。
まさか手技療法の歴史を振り返っている中で新渡戸稲造に出会うとは思わなかった。
ついでなので新渡戸の座右の書、カーライル『サーター・リザータス(衣装哲学)』もチェックしてみる笑
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