頂点に手をかけようとしていたロイヤルブールのジャージが止まった。


タックルで突き刺さったのはアカクロの選手たち。


2008年度の大学選手権準決勝。東海は早稲田に屈した。


関東リーグ戦では、深いラインから外国人選手の突破力を生かす戦いで頂点に立った東海。


だが、大学選手権では、異様な速さで、激しく前に出てくる早稲田の防御に勢いが止まった。


あれから1年。東海は今季、新たなスタイルで臨んだ。


最前線の重量FWが一歩、二歩と前に進む。ボールを後ろに下げない。


夏合宿では、徹底したモールで早稲田を追い込んだ。


東海FW8人のうち半分の4人は東海大仰星高校出身。


「史上最強」の東福岡も倒し、圧倒的な大きさと力強さで日本一になった黄金期のメンバーだ。


関東学院戦とのリーグ戦頂上決戦。日本代表のリーチを欠いたが、マウをナンバーエイトに据える布陣は十分すぎるほど脅威だ。


だが、先制したのは関東学院だった。


中盤のラックから展開し、わずかな防御ラインの段差を突く。防御2人にタックルに入らせて、パスでつなぐ。


パスをもらいにくる選手もそつがない。2人で寄って、防御の選手が入り込めない空間を作り出す。


先制のトライ。5対0。関東らしい。したたかに点を奪う。


かつてのように他を圧倒するほど大きくない。ただ、接点への拘りと自信は復活を遂げた。


モールを基点に攻めようとする東海を封じ込める。


ラインアウトのボールを奪い、モールを作らせない。モールになっても、巧みにラックへと引きずり込む。


ロイヤルブルーの塊を割り、切り裂く。


ペナルティゴールで8対0とリードを広げる。


関東と東海が拘りをぶつけ合う。


東海の逆襲は、やはりモールから始まった。塊となって押し込み、ラックから展開、トライを奪った。関東の8点に対し、東海は7点。その差は、わずか1点。


関東の辛抱が続く。モールを止め、ラインアウトで圧力をかける。


だが、我慢しきれなかった。


関東の選手が東海の選手の顔に働きかけるラフプレー。反則で流れは変わった。


ゴール前まで迫られ、最後は東海のフルバックが1対1の勝負で抜き去り、トライ。


関東8点、東海12点。


最後まであきらめず、攻め続けた関東だったが、届かなかった。


最後は東海のフルバックが、抜かれたらトライの場面で、冷静に関東の選手を仕留めた。


関東は、確実に復活の歩みを進めている。あと、もうひとつ届いてないのは、最後の瞬間まで勝利を手繰り寄せていく執着心か。


リーグの栄冠を手にするのは、やはり東海か。


29日、法政戦。関東とは、もうひとつ違う拘りを持つチームの誇りがみたい。


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