9年ぶりの栄冠が、手中から逃げた。
慶応が帝京に勝てば、関東対抗戦の優勝が決まる一戦。
慶応は序盤早々に2トライを先制。
いきなり慶応に傾いた流れを生かし、確実に得点を重ねた。
開始、わずか7分で14点差。
予想以上に引き寄せられた流れを逃さないように、キックで優位に試合を運ぶ慶応。
キッカーの飛距離に勝る慶応が蹴りあうたびに少しずつ帝京をさがらせる。
最終的に帝京がタッチキックせざるをえない状況に追い込んでいく。
慶応は、キックで地域と時間を支配した。
ペナルティゴールで3点も追加し、慶応17点に対し、帝京0点。
帝京のツイ、ボンド両選手を目立たせる場面もつくらず、慶応にとって、ほぼ完璧ともいえる前半が終わった。
迎えた後半。
選手交代もあり、ラインアウトを獲れない慶応が流れを失った。
前半はラインアウト11本中10本を獲得したが、後半は4本のうち、わずか1本。
安全圏の得点差にもかかわらず、敵陣で戦えない。
悪夢の早稲田戦と重なる。
ハイパントをノッコン。スクラムのコラプシング(下に落とす反則)を取られる。
早稲田戦もそうだった。
スクラムをどちらが崩したかの判断はかなり難しい。ただ、そのジャッジがゲームを大きく左右してしまう。
ゴール前で攻め込む帝京。
帝京のスクラムは間違いなく強い。3番の坪井選手が前に出てスクラムで圧力をかける。サイドを突いてトライ。
スクラムの強さを生かした帝京は、反撃ののろしを上げた。
それでも点差は12点。慶応としては、キックオフで仕切りなおして敵陣で戦いたい。
しかし、キックオフのタックルミスで、ボンド選手に前を出られたためにハイパントを許す。
再び自陣での戦いを強いられる慶応。
帝京はペナルティからも自信のスクラムを何度も選択した。
自らの強みに徹しきる。
ついに、スクラムが真っ直ぐ動いた。
巧みに戦う慶応の根っこを刈り取るような力強さ。
慶応に5点差まで迫った帝京。ただ、点差以上に、このトライは重い。
一方、決定機にラインアウトが確保できず、自陣から抜けさせない慶応。
ついに慶応のプロップがスクラムのコラプシングでシンビン。
帝京は力を緩めない。さらにスクラムで圧する。
扉は開いた。後半39分。帝京がラックから抜け出して、ついにトライ。
難しいキックも決まって逆転。帝京19点に、慶応は17点。
慶応は、序盤から試合を支配しながらも、後半に敵陣で戦えず、またも敗れた。
優勝を目の前にして、早稲田戦と同じように勝ちきれなかった。
6日、伝統の早明戦。早稲田が明治に勝てば、逆転優勝が決まる。
早稲田はなぜ勝者であり続けるのか。その理由を感じたい。
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