初の栄冠をかけた大舞台で、両雄の拘りがぶつかった。

 

 平均体重約105キロの大型フォワード、2人の外国人選手、接点の激しさ…。

 

 モールを起点に攻撃し、外国人選手らの突破から得点機を生み出す。

 

 帝京と東海の戦いは重なり合う。


 自らのスタイルに徹しきれるか。そこが勝負の分かれ目となった。

 

 帝京はモールで攻め続けた。

 

 東海陣でのゴール前のラック。ここからモールを作り直した。


 ゴール前ラックでは、まずモールを形成させない、必ず倒すのが防御の絶対条件だ。


 だが、東海は、帝京にモールを許してしまった。意地のぶつかり合いで一つ譲った。


 帝京はモールを押し込んで、東海の選手を密集に集めると、長いパスで外に展開。


 スタンドオフの森田選手が、東海のリーチ選手をかわしてトライ。前半4分、7対0と先制した。


 これに対し、東海らしい展開力を発揮した。


 密集でボールを奪ったのは、左腕骨折をおして出場した主将のフランカー荒木選手。


 身長こそ171センチで、両チームのフォワードの中では最も低いが、前に出る力がある。


 大きくゲインを奪うと、日本代表のリーチ選手らがフォローについた。


 突破役を着実にサポートして、チャンスを広げる東海の形だ。


 最後は、スクラムハーフの鶴田選手がペナルティから素早く仕掛けてトライ。


 お互いの持ち味を出し合った前半、7対7の同点で折り返した。


 後半11、20分、東海がペナルティゴール2本を重ねて6点のリード。だが、帝京は動揺を感じさせない。


 敵陣でペナルティをもらっても、ゴールを狙わず、迷わずにタッチキックからラインアウトモールで攻めた。


 ついに真紅の圧力が青色の壁を突き崩した。


 後半26分。帝京がラインアウトモールを押し込み、最後はフランカーの吉田選手が飛び込んだ。14対13。


 残り時間は1分。点差は、わずか1点。


 最後に、山場が用意された。


 東海が帝京ゴール前でラインアウト。

 東海がぐっと押し込む。モールで得点を重ねてきたのは帝京だけではない。


 だが、帝京の選手が東海の塊を割って、ボールに絡んだ。


 たまらず、東海の選手が倒れこみの反則。帝京、ついに頂点へ。


 テンポ良く攻めたい東海に対し、接点で圧力をかけて流れをとめてきた帝京の防御力。


 この決着も、帝京にふさわしい。


 両主将の言葉がすべてを物語る。


 「最後まで自分たちが粘り強く、今までやってきたことを信じてやった」(帝京の野口主将)

 

 「最後の最後まで獲りきれなかったのが自分たちの甘い部分だったと思う」(東海の荒木主将) 

 

 黄金期を築いてきた関東学院、早稲田、明治を破って、決勝へと上りつめた帝京。その自信は、最後まで揺るがなかった。


※DVD故障のため、地上波で生で観戦しました。通常は録画を繰り返し見てから書いているのですが、今回は、そこまで、しっかりと見れてません。感じたところを、そのまま書きました。





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