本作品は、1998年製作のアメリカ映画。

知る人ぞ知るエドワード・ノートンの隠れた(?)名作。

そのストーリーは以下の通り。


ファインダーの向こう側-AH-X


カリフォルニアの高校に通うダニーはある日、彼の提出したレポートが原因で校長に呼び出される。
レポートのテーマは、彼が崇拝するヒトラーの手記『わが闘争』についてだった。
その内容に疑問を感じた校長は、彼に兄について書くようにと、レポートの再提出を求める。


ダニーは、ネオナチのグループに属し、校内では黒人の同級生と険悪な関係にあった。
そんな白人至上主義に傾倒するダニーの元に、兄デレク(エドワード・ノートン)が三年ぶりに帰ってくる。
デレクは三年前に黒人の車泥棒を殺した罪で服役していた。
兄の帰宅にダニーは喜びを隠せない。なぜなら、父親を黒人に殺害されたダニーは、服役前はネオナチのリーダーだった兄のデレクをヒトラー以上に崇拝しており、今では兄以上に白人至上主義に身を染めていたからであった。


しかし、三年ぶりに会うデレクは、以前とはまるで別人のように穏やかで公平な人間になっていた。
デレクは、服役中に“怒りと憎しみが何も生まない”ことを学び、生まれ変わったのだが、そんな兄の豹変ぶりにダニーは戸惑った。
それでも、兄の必死な説得に心動かされたダニーは夜明けに作文を書き上げ、その翌朝、デレクに送られて学校へ向かうのであったが…。


差別と偏見、憎しみによる負の連鎖など、アメリカの闇と人間の本質をえぐった秀作。評価は★★★★★