本作品は、1993年製作のアメリカ映画。

ロマンス映画の中では外せない1本。そのストーリーは以下の通り。


ファインダーの向こう側-忘れられない人


孤児院で暮らす病弱な少年アダムは、心臓に先天的な疾患があり、4歳まで人との接触を禁じられた隔離生活を送っていた。そんな彼に、孤児院のシスターがおとぎ物語を聞かせる。


「雪深いキリマンジャロの山頂で、冒険家であるアダムの父親は、銀のヒヒの洞窟でルビーを盗っていた。それに気づいた銀のヒヒは父親と戦い、父親は死んでしまう。しかし、ルビーを盗んでいたのは、心臓の悪い息子のためだと知ったヒヒは、自分の心臓をアダムに与えた」


このおとぎ話を信じて育ったアダム(クリスチャン・スレーター)は、孤独で無口な青年になっていた。そんな彼は、同じコーヒーショップで働くキャロライン(マリサ・トメイ)に恋心を抱いていた。キャロラインは、男性に尽くすタイプだが、なぜかいつも愛想をつかされてしまうような女性である。


ある日、帰宅途中のキャロラインが2人組の男にレイプされそうになる。その危機をアダムが救い、彼女を家まで運んだ。彼は、毎晩彼女が無事に帰宅するのを密かに見届けていたので、助けることができたのだ。

このことがきっかけとなり、キャロラインとアダムは言葉を交わし始める。
彼女は、純粋で優しい心の持ち主であるアダムが以前から自分を真剣に愛してくれていたことを知り、次第に彼に心ひかれていく。


しかし、アダムの心臓はすぐにでも移植が必要なほど危険な状態だった。
キャロラインはアダムに手術を勧めるが、幼少の頃に聞かされたおとぎ話を信じている素振りのアダムは、「もし心臓が奪われたら、もう君を愛せなくなる」と言って心臓移植を拒むのであった。

そして…。


レイプ事件がなかったら、アダムはずっと片想いのままだったかも知れない。(たぶん、彼はそれでもよかったのだろう)
でも、事件が起き、二人は急接近した。そして、お互いに深く愛するようになる。


アダムは一歩間違えばストーカーで、陳腐と一笑されかねないきわどい設定。
しかし、それを超えたアダムの純粋で一途な想いが勝っていると思える作品。評価は★★★★☆