本作品は、2009年製作のアメリカ映画。
クリント・イーストウッド監督がモーガン・フリーマンとマット・デイモンで贈る、実話を基とした感動作。「インビクタス」は“不屈”を表すラテン語。
そのストーリーは以下の通り。
舞台は、初の黒人大統領が誕生したばかりである1994年の南アフリカ共和国。少し前まで「アパルトヘイト」という人種隔離政策が採られ、少数の白人が多数の黒人を支配していた国。
初の黒人大統領に就任したネルソン・マンデラ（モーガン・フリーマン）は、ここぞとばかり、黒人が白人に仕返しをするようなことは意図しておらず、ともに新しい国家を創ることを希望した。復讐ではなく、“和解と赦し”である。
その象徴として利用することを考えたのが、1年後に自国で開催されるラグビーのワールドカップだった。
南アフリカでのラグビーは、白人が愛好するスポーツで、黒人にとってはアパルトヘイトの象徴となる不人気なスポーツだった。
南アの代表チーム「スプリングボクス」は当時低迷期であり、チームに黒人選手は一人だけだった。
しかし、「そんなチームを国民が応援し、国の代表としてワールドカップで勝てたなら、人種間の和解が一気に進むかもしれない」と、マンデラは考えた。
政府内ではイメージを一新した上でワールドカップに臨むべきとの意見が主流だったが、マンデラは、今のままのチーム名とユニフォームで戦うことが白人と黒人の和解と団結の象徴となると訴えた。
そして、チームキャプテンのピナール（マット・デイモン）にチームの再建と国の未来を託すのであった。
果たして、弱小チームが見せる奇跡の快進撃はどこまで続くのか？
1995年のラグビー・ワールド・カップの結果を知らない人は、あまりにも出来すぎた結果に“本当に実話なの？”と疑ってしまいたくなるかも。
結果を知っている人は、南アにとって“大きな意味のある勝利”だったことを知ってさらに驚くだろう。評価は★★★★★