雨が続いた9月21日の深夜のできごと。
時折聞こえてくる子猫の悲痛な叫び声に、心ざわつくことが三日三晩続いていた。
日付が変わるころ帰宅した夫と、懐中電灯をもって裏庭へ。
階下は賃貸物件で、裏庭は賃貸さん占有契約のため、一応立ち入る許可をもらう。
そして、賃貸さんと夫と私の3人で、鳴き声の主探し。
鳴き声は、ウチと隣のマンションの間にあるブロック塀付近、とても狭い隙間から聞こえていた。そこにはエアコンの室外機が並んでいる。
草ぼーぼーで虫がいて怖いこの隙間に入れそうなのは、3人の中で私だけ・・・ヽ(;´Д`)ノ
子猫は人の気配に怯えてか、声をひそめてしまっている。
大の大人が「にゃー」と声をかけてみる。返事はない。
そーっと室外機の上に乗ってみたら・・・小さな小さな声が聞こえた。
賃貸さんと夫が、どうも室外機の下から聞こえた木がする、と・・・
でも、【ウチ】←→【室外機】←→【ブロック塀】この間には私の腕が通るくらいの隙間しかなく、覗き込めない。室外機はコンクリートのブロック形の土台にボルトで留められている。
そこで鏡を持ってきて室外機の下を覗き込むことに。
この時点で深夜の2時。雨はやんでいたけど、ここで鳴きはじめて4晩目。手遅れかもしれない、だから鳴かないのかもしれな。
懐中電灯と鏡を1人で駆使し、暗闇の中で何がいるか解らない室外機の下を覗き込む。
見回し、見回し、見回し・・・最後に、小さな小さな黒いふさふさが見えた。
モグラやネズミのような、iPhoneの箱に収まるサイズのそれは耳がついている。
位置的にはこの隙間の出口側に面した室外機の足下にいるようだ。
その室外機はがっちり固定されている。
位置が確認できたところで夫が私に「出てきて」「どいて」と短く言った。
私がウチとブロック塀の間から出ると、夫は巨体を横向きにして、ドッスンと一歩、隙間に踏み入った。
そして、室外機をコンクリートの土台ごと持ち上げた。
180gの小さな黒い毛が震えていた。逃げも鳴きもしない手のひらサイズ。
思わず泣いた。私のほうが泣いた。無事保護。
でも、意外と元気だった。部屋の中で大して歩けないのにヨチヨチにゃーにゃー。
獣医さんの話では、子猫が複数の時、母猫が運ぶのをやめて放棄して置き去りにすることが結構あるので、この子もそれで、割と直前まで母猫はそばにいたのではないか、と。
だから生きてたし毛並みもキレイだったのだろう、と。
野良の子猫は人の手で無事育つかどうか五分五分とのことだったけど。
ここから3〜4時間ごとに子猫専用の粉ミルクで授乳を続け、ひろって3日でこのリラックス具合に(笑)→つづく
9月24日。