季節外れの台風が、また傷跡を残して去っていきました。今回の台風22号による被害が、少しでも軽微であればいいのだがと、ただ願うだけです。

 

 実は、僕も多少の影響を受けた人間の一人です。

 

 先週土曜日(28日)は、宮崎県日南市で講演会でした。台風が近づいていることはもちろん知っていましたが、飛行機が飛ぶというなら、当然乗ります。

 

 離陸してしばらくすると、機長からのアナウンスで「現在の宮崎空港の天候は、着陸の条件を満たしていない」、と。これは、羽田に戻ることになるのかな、と思いましたが、幸いにして無事に着陸できました。

 

 講演会を予定通り終えて、さあ移動となったとき、豪雨に襲われました。当初の予定では、都城までタクシーで移動して、そこからは日豊本線・特急きりしまに乗って鹿児島中央へ。そこからは九州新幹線で博多に移動することになっていました。

 

 ほとんど前が見えないような豪雨の中、タクシーは都城に向かって走り続けました。車中でJR九州の運行状況を確認すると、日豊本線は、

 

南宮崎―都城間で運転見合わせ

 

とのこと。都城駅に電話で問い合わせると、当然つながりません。それでも、何度かかけ直すうちに何とかつながって事情を聴くことができました。すると、我々が乗る予定の特急きりしまも途中で止まっていて、運転再開の見込みは立っていない、と。

 

 さあ、どうする?

 

 翌日の予定を考えると、どうしても鹿児島中央までは移動しておかねばなりません。迷いなく即断しました。

 

「運転手さん、このまま鹿児島中央に向かってください。」

 

 宮崎から、鹿児島まで。豪雨の中の100キロを超える道のりを爆走してくれたのです。

 

 結果を言えば、何と予定通りの新幹線に乗れました! ただ、悪天候の中の車でのの移動は本当に疲れました。乗せてもらっていた僕でさえそうなんですから、運転していた方はなおさらでしょう。本当にありがとうございました。

 

 博多について確認すると、乗る予定だった特急・きりしまはあのまま動かなかったようです。

 

 きりしま、運転やめたってよ

 

 

 もし、都城で運転再開を待っていたら、翌日のかなり遅い時間まで移動は不可能だったのです。強行して正解でした。

 

 そこまで無理をしたのは、翌日(日曜日=29日)午前中に佐賀県で講演会が予定されていたからです。その様子が地元の新聞に掲載されたようです。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171030-03143188-saga-l41

 

 先着800人に入れなかったというコメントもありますから、もし僕がたどりつかなかったら、多くの方に迷惑をかけたことでしょう。無理をした甲斐がありました。

 

 終了後は、今度は山口に移動。萩市での講演会です。萩は、修学旅行以来の二度目の来訪です。当時一番好きだった久坂玄瑞のお墓で写真を撮ったことは、今でも覚えています。なのに今は、松下村塾では吉田稔麿により惹かれるようになっているのですから、人の気持ちは不思議なものです。

 

 この講演会も無事に終了。東京に戻るべく、天気図を確認します。ちょうど乗る予定の飛行機が羽田に着く頃に、台風がすぐ近くにいるという予想天気図が出てきました。

 

 果たして無事に着陸できるのか?

 

 萩から宇部山口空港と、JRの新山口の駅へはほぼ同じ方向で、ほぼ同じ距離です。約1時間の移動の間に決断すればよいのです。

 

 空路か? それとも陸路か?

 

 航空会社のデスクに電話をかけるなど、手に入る情報は全部かき集めました。それらを総合すると、 台風は動きを速めるだろうから、多少遅れても飛行機は着陸できるだろう。逆に新幹線は、雨の影響での遅延、ないしは途中での運転打ち切りが怖い、という結論に。結局、選択したのは空路。

 

 宇部山口空港に到着すると、乗る予定だった飛行機は45分遅れだが、出発するとのこと。ホッとしました。ただ、その後さらに遅れて、結局約1時間半遅れで離陸。何とか羽田に戻ることができました。


 

 移動疲れという言葉がありますが、こういうストレスを受けながらの今回の移動は、今までで一番疲れました。疲れ果てました。それでも、仕事をすべて予定通りこなすことができて、関係者に迷惑をおかけせずに済んだことが何よりです。何か月も前から準備、告知をして当日の天候によってすべて台無しというのでは、たまらないですよね。

 

 何としても、日曜のうちに東京に戻りたかったのは、月曜日は午前中の早い時間からロケがあったからです。その内容は、最新の車に乗ってその魅力をレポートするというもの。実は、昨日もかなりの時間、車に乗ったんですよ。(笑)

 

 今回の僕の動きは、好んで台風を追いかけたようなものです。結果的に何とかなったものの、僕の行った九州縦断→列島横断という、まるで台風のような移動を、10月に予定すること自体を考え直さねばならないなと考えています。というのも、冒頭であえて「季節外れ」と書きましたが、温暖化が進む今、先の18号、そして今回の22号のような10月の台風は、今後さほど珍しいものではなくなっていくように思われるからです。その分、豪雪による被害が減って、天災による被害は、結局あまり変わらないということになるのかもしれません。