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久々に骨太の全９話のミニシリーズを完走しました！
『ミセス・アメリカ 時代に挑んだ女たち』
女性の権利や平等を謳ったERA（男女平等憲法修正条項）という憲法の条項をめぐる女性たちの戦い。
1970年代～80年代の出来事をドラマ化しています。
今でもアメリカの全部の州ではERAは批准されていないという事実。
近年起こったmetoo運動や男女の平等について深く考えさせられます。
出演者が映画級に豪華で演技派ばかり。
一人一人にスポットライトが当たるように１話ごと構成されていて、それもまた見ごたえがあり、多面的に話が理解できます。
伝統的な性別による役割分担を訴えるフィリス・シュラフリーは、ＥＲＡ（男女平等憲法修正条項）の議会通過を目指すフェミニストたちの運動に反対し、主婦たちを巻き込んだ反フェミニズム運動を展開する。
しかし、シェラフリー自身は国防の専門家で過去に議員に立候補したこともあるキャリアウーマン。
凄い矛盾を感じる人物なのですが、物語上は彼女の権威欲のために運動をしているという風に描かれています。
相対するＥＲＡ賛成派、グロリア・スタイネム、シャーリー・チザム、ベティ・フリーダン、ベラ・アプツーグらが牽引するフェミニズム運動は大きな盛り上がりを見せ、１９７２年、ＥＲＡは連邦議会で可決される。
相対するＥＲＡ賛成派、グロリア・スタイネム、シャーリー・チザム、ベティ・フリーダン、ベラ・アプツーグらが牽引するフェミニズム運動は大きな盛り上がりを見せ、１９７２年、ＥＲＡは連邦議会で可決される。
しかし、成立に必要な３８州の批准をめぐり、両者の対立は激しさを見せていき、更に男性社会とも戦うという困難な状況を描いていきます。
ケイト・ブランシェット、ローズ・バーン、エリザベス・バンクス、サラ・ポールソンなど実力ある女優さんの演技が見どころ。
黒人女性初の連邦議会下院議員シャーリー・チザムを演じたウゾ・アドゥーバが、エミー賞リミテッド・シリーズ部門助演女優賞を受賞しています。
ケイト・ブランシェットのミセス・シェラフリーの優雅で上品なのに利己的で冷酷。
もうさすがケイト様な演技でした
個人的には唯一の架空の人物とされているサラ・ポールソンが演じた主婦のアリスが印象的でした。
ミセス・シェラフリーと共にERA反対運動を支援していきますが、どんどんシェラフリーの人柄や色々な意見を目にするうちに運動に懐疑的になり、自立していく彼女の姿が良かったです。
やはり色々な視点で１つの物事をみるというのは大事なんだと思わせる人物です。
アメリカというと自由の国というイメージがありますが、その中に生じる矛盾を描いたドラマシリーズ。
プロデューサーにケイト・ブランシェットも名を連ねており、彼女の情熱も感じる作品です。
これはもっと多くの人に観てもらいたい！
堅い内容のようですが、展開にハラハラドキドキ、音楽もポップでちょっとしたシニカルな笑いもあり、７０年代のファッションも素敵です。
そんなところも飽きずに観ていられる要因です。
長いシリーズですが、どの回も面白くて最後まで観たくなる久々にグッとくるドラマでした。
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