「じゃ、お疲れ様~」

 

2人で仕事お終わりの乾杯をし、

お互い食べたいものを注文して、

あれこれ言いながら食べていた。

 

 「なんで前の仕事辞めちゃったんですか?」

 

「何となく前の仕事ではない角度から

仕事をしたいって思って。

これっていう理由はたいしてないんだけど、

違う仕事を経験したいって感じに近いかも・・」

 

「そっか・・・。そのおかげで

私はあなたに会えたんですから。

楽しい毎日過ごさせてもらってますよ?」

 

「それどういうことでしょ?(笑)」

 

 「だって、ねえ。

茉奈天然みたいなことやるじゃないですか。

あれが楽しいんですよ(笑) 

同じ部署に配属されたのが茉奈で

ほんとよかったわ」

 

そういう和君は口元を隠しながら笑っている。

 

「それは・・・。仕方ないじゃない?

楽しんでもらってて光栄です(笑)」

 

私は和君に少しの嫌味を含みながらそういった。

 一時間ほど食事をしてその後、

帰宅するために駅に向かっていた。

 

「最初は仕事できなくて・・・、

あきれて話してもらえなくなったらどうしよう

と思ってた。和君が優しい人で良かった。」

 

「そう?私そんな優しい人ではないですよ?

茉奈の気のせいじゃない?」

 

「ううん。わからないところは

わかりやすく教えてくれるし、

迷って相談しようとするタイミングで、

声かけてくれたり・・

和君すごく周りを見て対応してくれてるって

感じがする。尊敬するよ。」

 

「あなただって、自分の仕事してるのに

人の相談乗ってるし。

相談したら意見だけでなく図案とかで

帰ってきたり・・人のこと言えませんよ(笑)」

 

そんな話をしながら歩いていると、

いつもより早く駅に着いた気がした。

 

「じゃあ、今日はありがとう。

ご飯もありがとう。」

 

「家まで送ろうか?心配だから。」

 

「大丈夫。いつも気にしてくれてありがとう。

私もお礼もしなきゃだね(笑)」

 

「じゃあ、今度手料理ごちそうしてくださいよ。

料理できるんでしょ?」

 

「えー。おいしくなくても

文句言わないなら(笑)」

 

「それはわからないです。でも約束ですよ?

あと帰ったら連絡してください。心配です。」

 

「わかった、約束ね。ほんとに心配性だね(笑)

 家に着いたらまた連絡するね。」

 

そう言ってお互いの駅のホームに向かって

歩いて行った。