和君に抱きしめられていると、

力が抜けていくのが分かった。

 

「和・・・君・・・。私も和君が好き・・。でも・・・。」

 

「でも、何?私は好きと言ってくれて嬉しいですよ?

それとも何か問題がありますか?」

 

「私は・・・和君のそばにいられない・・。

私より良い人がいるだろうから・・・。」

 

「それは・・それが茉奈の本心なの?

俺は茉奈が良いんです。そう思う理由があるの?」

 

「・・・私は・・・言えない・・・言いたくない・・。

ごめん和君・・」

 

「今日何かあったんでしょ?だから・・・。」

 

少し沈黙が続いた後和君がゆっくり話し始める。

 

「茉奈・・・実は俺・・・全部知ってるんです。

それでも茉奈が良いんです」

 

「…え・・・。和君・・・なにを・・・」

 

「茉奈は俺に知られたくなくて

翔さんや大野さんに口止めしたよね?」

 

私は和君が言おうとしていることに予想がついた。

 

「何があったか翔さんたちが、

俺も知ってるほうが良いと判断して教えてくれた。

茉奈には内緒でってさっき電話した時も一緒で・・・

俺が2人が止めるのを無視して強行したから

二人の目が怖かったけどね。」

 

私は涙が止まらなくて、

和君の顔もまともに見れなかった。

 

「ごめん・・・和君。

私・・・和君には知られたくなかった。

知られるのが怖くて嫌われるのも

今の関係が壊れるのも嫌で・・・」

 

それだけ言うと和君の指がそっと

頬に添えられて和君のほうを向かされた。

 

「茉奈俺話を聞いた時すぐにそばに行かなきゃって。

でも・・・大野さんに茉奈の様子聞いた時に

怖がらせるだけだったらって・・・」