彼女の家に着きインターホンを押すと、

母親が対応に出た。

 

「今朝は失礼しました二宮です。

先輩の様子はいかがですか?」

 

『あら、今日はありがとうござました。

どうぞ部屋に居ると思うので・・』

 

玄関のロックが外され家の中に入ると、

母親が出てきた。

 

『あら?そちらのお二人は?』

 

「あの、クラスメートの櫻井と私の友人の松本です。

沙羅さんにいつもお世話になっています。」

 

「こんにちわ、これお見舞いです。

皆さんでよろしかったら食べてください。」

 

『あら、そうだったんですね。

こちらこそいつもお世話になってます。

お部屋こちらなんですどうぞ。』

 

彼女の部屋の前でノックをして、

 

「沙羅?二宮さんたちがお見舞いにいらしたわよ?」

 

と声をかけて俺たちを部屋に通した。

 

「今井?具合どうだ?これ今日のノート。」

 

「二宮君、・・・櫻井君、松本君も・・・。

ありがとうございます。」

 

潤は彼女の側に近寄るとそっと彼女を包む。

 

「沙羅さん、大丈夫?ごめんね

助けてあげられなくて・・」

 

「松本君ありがとうございます。

大丈夫です。明日はちゃんと

学校に行きますから・・・。」

 

そう言って寂しそうに苦しそうに微笑む。

 

「沙羅さん・・無理だけは

しないでください。私たちは無理してる

貴方をみるほうが悲しいですから・・。

あともう少し私たちを頼ってください・・」

 

「・・・、ありがとうございます。

でも本当に大丈夫ですから・・・。」

 

そう言って力なく微笑んだ彼女に、

3人とも何も言えなくてため息をついた。