ゆっくりだけど改札を通り、

電車に乗って学校の最寄り駅に

降りることができた。

 でも・・・そこからが問題で・・・、

俺はあいつらに万が一目撃されても

大丈夫なように距離をあけて

登校することにした。

学校が近づくとあいつらが沙羅を見つけて、

囲むようにして彼女と校舎へ・・・。

俺は近づくこともできず距離を保ったまま

後をつけることにした。

そんな時に潤くんが話しかけてくる。


「和おはよう。どうかした?顔怖いよ?」


「潤くんおはよう。いや、あの人達がね・・・」


そう言って正面を見ると潤くんも察したようで


「何もなきゃいいけど・・・」


2人で後を追う。

案の定彼女に絡んでなにかやり始める。


「あなた達は何をしてんです?」


声を掛けると蜘蛛の子を散らすように

そこかへ逃げていく。

それなら最初からしなきゃいいのにと思う。


「沙羅さん大丈夫?怪我してない?」


「沙羅、頬・・血がでてる。保健室行こう?」


「二宮くん松本くんありがとうございます。

保健室は1人で行くので大丈夫です。

2人は教室に戻ってください」


「ホントに1人で大丈夫?僕ついていくよ?」


「大丈夫ですから、櫻井くんたちに保健室に

行ってから教室に行くと伝えておいてください」


「うん、わかった。何かあったら連絡してね?」


潤くんは優しい。こんな状況でも無理強いは

しない・・・ホントいい奴。

その後翔やんに潤くんが


「沙羅さん保健室に行ってから

教室に行くと思う。頬に切り傷ができてた」

 

と連絡した。 

SHRも終わって少しすると翔やんから


「沙羅がまだ戻らない。彼奴等も戻ってない」


とラインが来た。

潤くんと目がアウト俺は


「すみません、保健室に行ってきます」


と、沙羅を探しに行くことにした・・・。