二宮君が家まで来てくれて

話しながら学校に向かった。


「二宮君ではなく違う呼び方にしてほしい。

敬語が取れてくれたら俺たち嬉しいんだよ。」


すごくうれしい言葉を伝えてくれる。

でも、彼女たちに知られて今以上の

仕打ちが待ってると思うと、

それに応じることは私にはできない・・

だから少し考えさせてと応えた。

学校まで何とかたどり着くことができた。

彼女たちは私を見逃しはしなかった。

囲まれて連れていかれたのは、

昨日と同じ人目に付かない校舎裏・・・

 

『今井さん、まだわからないのね?

学校に来なくていいんだけど?』

 

「勉強はしたいので・・・彼らには

関わらないようにしますし・・・」

 

『ふーん、関わったらどうなるか・・・

わかってるよね?』

 

彼女は手にカッターナイフを持つと、

私の頬にそれを滑らせた。

私の頬に暖かなものが伝う・・・

 

「私からは関わりません・・・

彼らから話しかけられたことは応えます・・・

それが人として当たり前なので・・・」

 

そんな時


「貴方がたは何やってんです?」

声がかかると彼女たちは走り去っていった。

 

「沙羅さん!?大丈夫?怪我してない?」

 

「沙羅?頬血が出てます。保健室行こう」

 

「松本君二宮君、ありがとうございます。

保健室は1人で行くので大丈夫です。

二人は教室に戻ってください。」

 

そう言って私は保健室の方向に歩いて行った。

でも保健室には行かず図書室へ向かう・・・