俺と大野さんは彼女の様子を見ていた。

半時間ほどして彼女が目を覚ます・・・

 
「大野・・・さん?二宮・・・くん・・?
私・・・どうしてここに・・・?」
 
「沙羅大丈夫か?
保険の先生がこの薬飲めって・・・
飲めるか?」
 
「うん、なんの薬かな・・・。」
 
その言葉に俺と智くんは顔を見合わせた。

「先輩倒れたんだけど・・・覚えてない?」
 
「うーん、腕を捕まれたのは何となく・・・
でもよくわからない・・・」
 
「そっか、大丈夫そうならいいけど・・・
あのさ沙羅、こんな時に言うのはずるいけど

沙羅のこと大好きで大事だから・・・

俺がそばにいるから・・・あ、薬飲むよな。

水持ってくるわ・・・」

 
彼女のなかで何か起きてるのか・・・
あいつらのせいだってのはわかる・・
俺で彼女を救えるのか・・・。
 
「和お前今色々考えてるだろ?
大丈夫俺たちも助けるから・・・
一人じゃねーから」
 
本当にこの人は普段ふにゃふにゃしてるのに
こういうときには力強い言葉をくれる。
 
「おじさん・・、ありがとう・・」

「おじさん言うなや」
 
そして俺たちは彼女が
ちゃんと薬を飲むのを見届けた。