その日俺と大野さんで彼女を送っていった。

 母親は学校から連絡を受けたようで・・・
 
『櫻井くん、大野くん本当にありがとう・・
母親として情けないわ・・・』
 
「そんなこと言わないでください。
櫻井が1度母親に言わないのか?って
聞いたことがあるんです。
そしたら私にもよくしてくれるお父さんと
大好きなお母さんの幸せが一番と言ってました」
 
『・・・そう・・・。
私たちにまで気を遣わなくて良いのに・・・
きっとあの人が聞いたら喜ぶわ。
また来てください、
今度は主人にもあってちょうだいね?』
 
「はい、他の奴らもつれてまた伺います。
では失礼します。」
 
そう言って俺たちは帰路に着いた。
 
「智くん、俺たち彼女を救えるかな・・・」
 
「ん?きっと大丈夫。
俺たち沙羅が大好きだからな」
 
その言葉はきっと俺にも、
沙羅にもちからをくれる。
そう思えるから不思議だった。