放課後の清掃時間に起こった。

翔やんたちのクラスの女子が慌てて

呼びに来たようで・・・・

 

「相葉君櫻井君大変!今井さんが・・・」

 

俺と雅紀はその子の案内で

彼女のもとへ急いだ。

そこにはうずくまって震えながら、

過呼吸になりかけてる沙羅がいた。

 

俺は側に近づきそっと彼女を支えると、

雅紀も背中をさすりながら、

 

「沙羅ちゃん大丈夫だよ・・・

大丈夫だから・・・」

 

小さく優しく話しかける。

 

「ごめん、何があったか教えてくれる?」

 

『今井さんが掃き掃除してるところに、

男子が走ってきてぶつかりそうになって、

腕をつかんで引き寄せたら急に・・・

驚かせるつもりはなかったんだけど・・・』

 

俺と雅紀は顔を見合わせる。

 

「そっか、まだこの生活に慣れなくて、

疲れてぼーっとしてたのかも・・・

教えてくれてありがとうね。

気にしなくても大丈夫だから・・・

あとは翔ちゃんと僕で対応するよ」

 

雅紀が呼びに来てくれた女子に、

優しく話しかける。

 

「俺たちがついてるから気にしなくていい。

お疲れさま、また明日。」

 

そういうと

 

「じゃあ、お願い。落ち着いたら

驚かせてごめんね伝えて・・」

 

と言い残して帰っていった。

 

「翔ちゃん、3人に知らせてくるから、

お願いしてもいい?」

 

「え?ああ、わかった。」

 

雅紀はそういうと、

俺と彼女を残して智君たちのところへ

走っていった。

 俺は彼女の様子を観察した。

すると小さな声で

 

「やだ・・やめて・・。お願い・・。」

 

繰り返してる・・。

 

「沙羅?俺がわかる?櫻井。

顔見て?わかる?」

 

最初は不確かな焦点だったのが、

次第に俺の顔を見ているのが

わかるようになってきた。

 俺は彼女を優しく抱きしめ背中を擦る。

もう大丈夫と伝わるように・・・。