しばらく彼女を抱きしめて、

背中をさすると少し落ち着いたのか、

震えが小さくなった彼女から、

息苦しそうな声が聞こえた。

 

「さく・・らい・・くん?」

 

「沙羅?大丈夫だから・・

ちゃんと側にいるよ?苦しいだろ?

もう少し落ち着いてからでいいよ。」

 

彼女は小さくうなづき目をギュッとつぶる。

そこにみんなが合流し、俺はに和に合図を送り

場所を交代する。

 

「沙羅?大丈夫か?もう大丈夫だからな。」

 

「沙羅さん、僕も側にいるからね。」

 

「あなたたち側にいるのはいいですけど、

今質問はしないほうがいいですよ?」

 

「翔ちゃんお疲れさま?様子はどう?」

 

「ああ、震えは少しずつ落ち着いてたけど、

まだ少し息苦しいみたいだ。

もう少し落ち着いたらみんなで送るか・・・」

 

彼女はニノの腕の中で小さく横に首を振る。

 

「沙羅さん私たちに

気を使ってるでしょうけど逆効果です」

 

その様子を見ていた和が

彼女を諭すように優しく話す。

 

「あなたは私たちに気を使いすぎです。

私を含めこの人たちが貴方が

好きで勝手に言いだしてるんです。

甘えればいいんですよ?」

 

息苦しさが残っているからか、

和の顔色を窺う様子を見せる。

 

「ニノの言うとおりみんな心配なんだ。

最も嫌がっても送るつもりだけど?」

 

彼女は少し困った表情を見せる、

にのが沙羅を安心させるように微笑んだ。

 彼女はあきらめたのか少し頷いて微笑んだ。

その後息苦しさも落ち着いたから、

みんなでゆっくりと帰ることにした。