先週月曜に訪れた三重県長島に続いて、今度は夏の北海道!

いや、涼しくて過ごしやすい!
って別に旅行じゃありません。笑

北海道にあるアウトレット施設の視察です。
一つは北広島にこの4月に出来たばかりの三井アウトレットパーク。

そしてもう一つが、新千歳空港のすぐ近くに5年前からあるレラ。

一泊二日で札幌駅ビル(ステラプレイス)にあるうちの直営店の視察も兼ねて強行日程。。

見てきた印象から言えば、どちらもそれぞれ特色があり、全く異なるアプローチ、戦略で異なるお客さんを相手にしているな、というのが率直な感想です。

三井はアウトレットというよりも、さながら都市型ショッピングセンターのよう。

ららぽーとやラゾーナといった商業施設を2まわり位コンパクトにした感じ。

入っているテナントはラグジュアリーブランドからファストファッションまで色とりどり。
ただ、雑貨が少ない(というよりもほとんどない)のも特徴でしょうか。

これ位コンパクトであれば、施設内の回遊性も高いでしょうし、売り場面積も無駄に広すぎないので、テナントとしては売りやすいでしょう。

コンパクトな施設でかつ入っているテナントも日常使える商品を提供しているところが多く、普段使いの目的で買いにくるお客様(近隣の住民など)も多いと考えられるため、個人的には駅徒歩数分という利便性の高い立地の方が適していると思いますが、すぐ近くの札幌駅ビルや札幌中心地の商業施設との兼ね合いや色々な事情もあってやむなく今の立地になったのでしょうか。

反対にレラは見た目も規模(広さ)も、典型的なアウトレット。

広い分だけブランド力の高いテナントを分散させて配置しないと(特に私たちの様な無名のお店にとっては)回遊性が高まらない、というリスクがあるだけに、店舗の誘致が(配置など神経を使う点が多く)大変だろうな、という印象を受けました。

空港からすぐ近いため、出張帰りのビジネスマンや、中国人や台湾人、韓国人といったアジアからの観光客を取り込む余地が大きいところ(立地)が強みであると言えます。

いずれにせよ、これだけ各地でアウトレットが一般化してきた現状においては、これまで以上に施設としての魅力をつくり、訴求しないとお客様に選んでいただけません。

アウトレット専用商品(原価を下げてアウトレット価格でも利益が出る様に作っている商品)を増やすテナントも目立ってきた中で、気がつけば駅ビルやファッションビル、百貨店と変わらないブランド、品揃え、価格、ということになれば、中長期的には自分たちの首を締めるだけ。。

もちろん、アウトレットを特別視する訳ではありません。
お客様が買いにきているという事実だけを見れば、アウトレットとは購買意欲の高いお客様が訪れる買い場。
それ以上でもそれ以下でもありません。

であれば、シンプルに考えて、売れるもの(売れ筋)を売れる価格で提供する、という発想になるのですが、あとはアウトレットという業態をどう捉えるのか、という事だと思います。

アウトレットの起源と定義にこだわり、アウトレット"ならでは"の差別性を出していくのか、それともいっそのこと「アウトレットという名のショッピング施設」として割り切り、SCとの垣根なく運営していくのか、、

ポイントは、どちらの選択肢をとるにしてもお客様が求めている要素をきちんと捉えて実現できているかどうか。
下手な理屈をこねくり回すより(笑)、消費者の評価に身を委ねた方が速い、というのが小売の特徴。

そういう意味では、乱立期を過ぎて、アウトレットバブルも鎮静化してきた現状から判断するに、早晩、既存のアウトレット施設のうちいくつかの施設はお客様からの厳しい評価を下され、淘汰されていくでしょう。

我々テナントもアウトレットが比較的好調だからと浮かれていると、潮目が変わった途端に施設と一緒に奈落の底へ真っ逆さま!!

翻ってうちの会社でも、レシピエ(ファッションビル中心)、百貨店、アウトレットと、お店、商品を展開するそれぞれの販売チャネルを個別に見るだけでなく、3つの業態全体を見据えたビジネスの仕組み、出店形態を見直す時期に来ているなあ、と感じた次第です。。

■北広島の三井アウトレットパーク入り口
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■三井にあるドーナツ屋さん
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■三井の周りはホント何もない
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■レラにあるラーメン屋さん
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■レラの正面入り口
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