イタリア出張3日目の19日(日曜日)。

いよいよシューズの展示会「MICAM(ミカム)」が始まります。

ミカムはイタリアだけでなく、世界中から靴のメーカーや代理店が出展している靴の一大イベント。
各社、自分達の靴を買ってもらうため、様々に工夫を凝らしたブースを設けています。

買い付けに来ている人たちも同じく世界中から集結。
半年後の集客や売上を左右する重要な場であり、真剣勝負の闘い。

そう、今回の突然のミラノ出張の目的は来春にオープンする新店のための商品の買い付け。

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これから4日間に渡り、広大な展示会場をくまなく見てまわり、新店の顔となる商品を探していきます。

さて朝9:30に会場入りして登録の手続きを済ませてから、早速出展している各社の靴をドンドンと見てまわります。

うーん、まあ各社色とりどりだけど、数百社以上が出展する巨大な会場だけに、靴がみんな同じ様に見える。苦笑

選ぶ側の視点で見ると良く分かりますが、これだけ多くの競合がいる中で目立つには、相当キャラが立っていることが重要。

サンダルに特化しているなど、アイテムやテイストを絞っているところ、そこそこのクオリティで圧倒的な安さ(価格)を実現しているところ、そしてパッと見ただけでハッとさせられる程綺麗な靴を飾っているところ、などなど。

競争戦略のセオリーですね。

それら目立つところに目星をつけてはブースに立ち寄り、靴を見ていきます。

でもなかなか「これだ!!」というものに巡り会えない。。

うーん、R氏と2人、共に超多忙な中で無理やりイタリアまで来た中で、
「本当に出張コストと(2人がいなくなることで改革に与える)リスクに見合う成果が得られるんだろうか」
と早くも弱気の虫が顔を覗かせ始めた(笑)矢先、「ここも寄ってみましょうよ」と何気なく立ち寄ったブースで衝撃の出会いが!!

あれ?
ひょっとして、こういう感じの商品が並んでいるお店って...
あ、良いかも。

一つ一つの商品を見ていきながらR氏とも議論を重ねていくうちに、お店の輪郭がジワジワと具体的なイメージになっていく。。

結局、閉館時間いっぱいいっぱいまで数多くのブースを見てまわったのですが、初日にしてかなりの収穫がありました。

これだけでは終わりません。
夜は街中に戻ってブランドショップのショーウィンドウをチェックしてまわります。

一日の終わりにはまさに「足が棒の様」。。

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何とか1日の予定を終え、22時過ぎにしてようやく晩餐に。
ラストオーダーを迎えるお店もチラホラ出始めてきた中で1軒雰囲気の良いお店を発見。

店内はお客さんも多く、ほとんどのお客さんが食べている生ハムとフォカッチャも美味しそう。。
自然、期待も高まります。

しかし、席について注文をとり、待っている間に店内の様子を観察していると、ふとある違和感が。。

「あれ?今の料理、どこから持ってきたんだ?」

おばちゃんが料理を持って出てくるのは、お店奥の狭いスペース。

「厨房が地下にあってそこからエレベーターか何かで受け渡ししているのか!?」

イヤイヤ、ここも既に半地下だぞ。
そんなことが...

そんなことを考えている内にパスタとラザニアが運ばれてくる。

「ま、いっか。」

気を取り直し、待ちに待ったラザニアをほうばるように口に入れると...


「あれ?なんか...」


「つ、つめたい!!」


な、な、なんとまさかの電子レンジ!!!
しかも温まってない!!!(T . T)

そう言えば、お周りを見まわしてみると、、

「あ、みんな生ハムとフォカッチャしか食べてない!!」

そうなんです。
夜遅くに入った食堂は文字通り地元の人が仕事帰りに食べていくファーストフード的食堂だったのです。

それにしても、ローマ、フィレンツェ、ボローニャ、マルケなど、これまで、そんなに多くないながら、そこそこ色々な地域を訪れましたが、過去最悪を更新。
というか、何度かイタリアに訪れた中で失礼ながら「マズイ」と感じたのはこれが初めて!

しかも最後に違う意味で究極のほうれん草!?を出され完全にノックアウト...

「まあ、こういう方がかえって思い出に残って良いですね」とR氏と2人慰め合いつつ、ホテルへと帰ったのでした。。

良いことがあれば、悪いこともある...
まさにそんな人生の教訓を思い知らされた一日でした。。(ま、この日の収穫に比べればたいしたことない災難ですが。。笑)