筋肉痛も和らいだこの日。
僕の頭の中は、いつもの様に謎でして「壊れたレンズを直そう!」と言った決断に至っていた。
泊まっているホステルから、カメラ屋のあるロンドンの中心地までは片道約8キロ。
数日前、片道15キロを歩いた僕にとって、8キロと言う距離は余りにも短すぎた。
田舎のローソンで「鬼太るー!」とか言いながら、プレミアムロールケーキを鷲掴みで食っている女子高校生のスカートよりも短い。
歩いて市内まで向かう。
今回は、指を指せば注文できるレストランなどとは違ってレンズの修理。
高度な英会話が必要になるとみた。
その為、珍しく英語を勉強した。
店員とのやりとりで使うであろう英単語。
定型文に肯定文、そして否定文。
全てを頭に叩き込む。
は、全部嘘でいつもの様にG翻訳のスクリーンショットで済ませた。
マップで大英博物館付近にSONYストアがある情報を入手した僕は、SONYストアを目指す。
久しぶりにクレジットカードを持ち歩く。
慣れないマネーベルトに違和感を感じながらも歩く事、約1時間30分。
SONYストアに到着。
のはずでしたが、いくら探してもSONYストアが無かったので、その辺のカメラ屋へ向かった。
似た様なカメラ屋が3軒並んだ通り。
1番左の店に入った。
店内に入ると、アラブ系の顔をした3人のおっさんがいた。
「ハロー!」×3
早々に挨拶を済まし、予めスクリーンショットをしておいたiPhoneの画面を見せた。
理解してくれたおっさんは「OK!ノープロブレム!」と言った。
本当に直せるのだろうか?
そう思いながらもカメラを渡す。
電源を入れても、全く反応しないレンズ。
それを見て、おっさんが口を開く。
「20ポンド払えばレンズを見てやる。修理できるかどうかは、見ないと分からない。」
英語とか分かりませんが、とりあえず20ポンド欲しがっている事だけは分かった。
素直に20ポンド(約3,700円)をおっさんに渡す。
「13?30分?かかるから、それまでそこに座ってろ。」
おっさんに言われた通り、店内にあった手作り感満載の木の椅子。
ピノキオの椅子に腰をかけた。
12畳程の少し狭い店内におっさんが4人。
1人はレンズを分解していて、1人はピノキオの椅子に座っている。
残る2人は、ただ突っ立っているだけ。
僕以外のおっさん3人が、時折見せてくれるパフォーマンス。
イングリッシュと言った物らしい。
特等席で聞いていたけれど理解不能。
レンズを分解し始めてから約35分後。
クロスワードパズルが上手く噛み合わなかった時の様な顔をして、おっさんが言った。
「重症だ!直せるけどパーツを2つ新しく変えなくてはならない。」
多分そう言って、レンズの中の壊れた部品2つを僕に見せてきた。
何かが、2つ折れていた。
直るなら良いんですが、気になるのはやっぱりお値段。
値段を聞いてみた所、95ポンド(約17,600円)だった。
あと300円足せば、LLサイズの任天堂3DSが定価で買える。
照り焼きマックバーガーのLLセットに至っては、26個も食べれる。
「ぼったくりかな?」
相場が全く分からない。
1万円以内で済むと思ったんだけど…
しかし僕の目の前で、一生懸命に壊れた部品の説明をしてくれるおっさん。
ほぼ理解できなかったけれど、このおっさん本物!と思った僕は領収書にサインをした。
「今日中に直せるが、1時間はかかる。」
と言うので、1時間後におっさんと会う約束をして店を出た。
お金を下ろし、街をブラブラしながら1時間後。
カメラ屋へと戻る。
3人いたはずのおっさんは2人に減っていたが、顔を忘れてしまった為、どのおっさんがいなくなったのか分からなかった。
など、どうでもいい事を考えていると「パーフェクト!」と親指を立て、おっさんがカメラを渡してきた。
壊れたレンズが見事に直っていた!
これで、わざわざ被写体に近付かなくても写真を撮れる!ズームができる!
と、久しぶりにテンションが上がる。
その勢いでディスカウントを試みるも、あっさりと抑え込まれた。
2人がかりで「NO!」と言わる。
仕方なく言われた言い値、95ポンドを支払い「センキュー」と言って店を出た。
歩いて10分。
大英博物館でトイレを済ました僕。
2回目の大英博物館でしたが、せっかくなので展示品を見ようと思った。
しかし2回目、されど2回目。
何を見て良いか全く分かんない。
物珍しそうに展示品を凝視する観光客より、3倍くらいの速度で歩いた。
僕にとって2回目の大英博物館は都内にある様な、ちょっと大きめのリサイクルショップだった。
20分位で館内のお散歩は終了。
スーパーマーケットで買い物するよりも早い。
スーパーマーケットで買い物するよりも早い。
「さすがにそりゃ無いっしょ!」
と自分でも思ってしまい、何かを取り戻したくて、リサイクルショップのマップに目をやった。
頭の中に、その中古品があるであろうフロアを叩き込み、2週目へ。
写真じゃ分かりにくいですが、チェスのコマでした。
僕の膝上付近にボードがあった。
ボードには説明文らしき文字が書いてあったが、is.am.areしか知らない僕にとっては暗号。
教科書で見た事ある様な気がした。
給食後の、あの日の午後を思い出す。
子供が喜びそうなオモチャだと思った。
中々のツインテール。
どうやら、売れてしまった模様。
飼い主のセンスを疑った。
日本の鎧。
前回来た時も思いましたが、何故イギリスに?
でも、やっぱり日本のコーナーは見てて楽しいです。
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