今日の夕方の電車内にて。

横にいるおじいちゃんが電子辞書で『母乳で育てた』という英単語『breastfed』を調べてそのページを熱心に読んでらっしゃいました。電子辞書を初めて買ってもらい何故だかひたすら下ネタばかり調べ続けてしまう男子中学生みたいなことは自宅だけでしていただきたいものだななどと考えながら横に座っていたわけでありますが、そもそもこの『breastfed』という単語はどんなタイミングで使うものなんでしょう。

ほ乳類は当然の事ながら母乳で育つわけですし、もはや「これはペンです」レベルのいつ使うんだワードではないのかと思いながら帰宅。しかし、年金を貰っているのではないのかという大の大人が電車で真剣に調べていた単語にかぎってそんなレベルの不必要ワードなんてことがあるはずはない。いや、あってはならない。と、急に興奮して来てgoogleに「母乳で育てた 例文」という中学生しか調べなさそうな単語を黙々と打ち込みいろいろ調べてみました。

結果、医学的な表現で使う単語でした。

The breastfed infant of a vitamin B12-deficient mother is at risk for severe developmental abnormalities, growth failure, and anemia.
(ビタミンB12が不十分な母親の母乳で育った赤ん坊は、発育異常、成長阻害および貧血の危険にある。)
上記のように使用する単語でした。

あのおじいちゃんは変態日本を象徴する人物ではなかったのです。
赤ちゃんが出来たのに不健康な生活を辞めない孫の嫁であるアメリカ人女性に対して、自分が接種する栄養は自分だけのものではなく赤ちゃんのものでもあるのだと分かってもらうために必死で英語で伝えようとする健気な男性だったのです。きっと。

アメリカ人女性に素朴な日本人男性の思いは伝わったのだろうか。

今日は、おじいちゃんの優しさに思いを馳せながら寝る事にします。