女装の、社会的な信用。 | J'zK(茶漬け)オフィシャルブログ「来年から本気出す!」Powered by Ameba

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来年から本気出すとは、年を重ねるごとに本気度が増すという意味です。
J'zKです。
んで、Blogや書き物には「層」という意味を含めて、J'zK-layerとなります。
でもみんな「茶漬け」と呼びます。

今日は真面目な話。


今新しい店舗に向けて、秋葉原で物件を探してるんだけど、ものすごく難航していて。

それはなぜかという話。


あるいい物件があって、そこは今回初めてテナントを募集するようになったところ。
メイド喫茶もOKだというので、見に行きました。
NG項目は風俗店だけは入ってほしくないとのこと。
ガラスが割れてたり、エアコン用の穴が開けられるのかとか、いろいろ確認事項を挙げて、聞いてもらって、すごく気に入った。
絶対欲しくて、申し込みをした。


保障会社の審査が通って、なんの問題もないので、さてオーナーがOK出すだけって時に。

オーナーからNGが出ました。

普通ビルオーナーってのは、家賃が欲しいから、とっとと入って欲しいものです。
自分はプロではないので、健全なテナントに入ってもらうために、不動産屋そして保障会社にお願いするんです。
不動産屋や借り主の人となりを見て、保障会社は経済的に大丈夫かどうかを見ます。

で、それらプロがオッケーしたら、オーナーと面接をして、「よろしくお願いいたします」と契約成立。

普通はそんな流れです。




でも今回は、面接の前にオーナーが「ちょっと考えさせてくれ」と言って来ました。


理由は、いろいろ周辺と揉めそうという理由。

不「女装のメイド喫茶ですか?」
茶「いや女装のメイド喫茶はやりません。普通の女性が働くメイド喫茶です」
不「女装はされないんですね?」
茶「しません。え、どういうことですか?」
不「メイド喫茶OKだとは言ったけど、強烈なのが来たのでびっくりしているようです」
茶「いやですから、そちらのテナントでは女装はやりません」
不「何かあるといやだから」
茶「何もやらないですよ。どういうことですか。女装だとなんかやらかしそうなんですか?ゲイが集まったりしそうだってことですか?」
不「いえそうではないんですが」
茶「まず女装しないですし、仮にゲイが集まってしまうのがなぜいけないのかわかりませんし」


いやいやウチとら7年秋葉原で商売してて、それが一番の信用ちゃいますの?

なんかいろいろ窓やらなんやら確認事項挙げてきたのが、心配だとかなんとか言ってきて結局保留です。


で、ここは二階層の募集でして、ウチのほかにもう一社、別の階層に申し込みが入ったそうで、そちらはOKだったそう。
リフレ店だと。
茶「え、リフレ店は風俗じゃないんですか?」
不「そういう風俗営業をしないという契約を書かせてます。」
茶「あ、じゃあウチもそれ書きます。」


それでもダメで。


さらに話を聞くと、
一階二階もこれから空きが出るが、おしゃれなコーヒーショップとかに入っていただきたくて、それとのギャップがあるから。
「え、ごめんなさいメイド喫茶OKなんですよね?コーヒーショップの上にメイド喫茶あったって別にいいんじゃないですか?」
「ではなくて、コーヒーショップのすぐ上にメイド喫茶があるとという意味だと思います。」
「リフレはいいんですか?」
「コーヒーショップとメイド系との間にワンクッション欲しいんだと思います。」

なるほど。コーヒーショップいいですよね!
で、ちなみに、今回の茶漬けの話はスポンサーがコーヒーショップのオーナーなんです。伊勢丹にも入るくらいのおしゃれなコーヒーショップ。
その話をスポンサーにしたら、じゃあ一階ニ階コーヒーうちでやるよと。

不動産屋に話します。

「もしそこを取らせていただけるのであれば、お望みのおしゃれなコーヒーショップ、やらせていただきます。
つまりウチはこの階層を含め、計3階層借りる意思があります」
完全にしっぽをつかみました。
もう逃げられませんよ!


すると次に不動産屋は


「いや、オーナーが、スポーツジムから話が来たと言って来た。不動産屋の私も知らなかったんですが、オーナーに直接話がきたそうです。それが入ってくれる可能性があるから、そことのギャップが」

もう言ってることが無茶苦茶。

その物件は定期借家契約(立て壊し等、オーナーの都合があるので、期間限定の賃貸)で、オリンピックの年に立て壊す可能性があるから、二年毎に様子を見たいから一応定借にしたいとのことでした。築36年くらいのおじいちゃんビル。

いやいや、そんな物件にね、スポーツジム入りますか?って話で。
「20坪で狭いので、複数階層になりますよね。階段どうするんですか?」
「中くりぬいて階段作るそうです」
「その分家賃あがりますよね?で、定期借家なんですよね?それに天井高も低いので、マシンが入らないと思います。ジムに通う方は継続して通いますから、長くオープンしてないと意味がないのに、定期借家でいつ出てけって言われるかわかんない物件なんですよね?で、不動産屋さんかまさずに話来たんですよね?はっきり言いますけど、デマカセだと思います。」
「私ウソつかれてるんでしょうか」
「ウチを入れないための口実だと思います。あの、ウチ嫌であればあきらめますので、言ってください」
「いや、そうではなくて、ちょっと強烈なとこだったんでびっくりされているようです。」
「ですから女装関係ないですって。
普通のメイド喫茶やる予定なんですけど?で、女装だとなんで保留なんですか?リフレはOKでなんでウチはダメなんです?」


という感じで一ヶ月が経ち、二ヶ月が経ち・・・

契約寸前から急速冷凍されて保留。

なんでオーナーがそんな権限持ってるのかマジで意味がわかりません。

しかも話聞いたら、オーナー、NEWTYPEの裏あたりに住んでるらしいす。
じゃあ知ってんじゃんウチのこと。
7年やってまだそれスか・・・。トホホ


で、最近、リフレ店オープンしてやがったので見に行ってやったんです。


そしたら、ゴリゴリに風俗っぽいんですな。




なんでこれがOKなの?
いやホント悔しい。
つまりね、オーナーの答えは簡単だったんです。

単純に「女装」というイメージに対する嫌悪感=差別
です。



いいですか皆さん。

女装の信用ってのは、風俗以下です。
ってことはエタ非人です。
僕らは社会的な信用が欲しくて、真面目に7年もやってきました。でもこれです。
普通の会社で、他に比べてブラックなこともせず、法令を遵守し、普通の仕事をやってきました。

だけど、摘発スレスレの業態に負ける信用なんです。

なぜこんなことになっているのか。

今日はそんな話をします。



先代の人間はコミュニティを作って、クローズドの文化を作ったからだ。
お互い傷つかないように。
だからより差別は助長された。
誰も外に出ようとしなかった。何故なら心地いいから。
出たとしても隠れるように出てきてた。

その結果どうだ。
社会からの信用はエタ非人レベル。女装が就ける仕事は性風俗だけ。
歳を重ねて性風俗お払い箱になったら、


みんな死んでるんだよ。



将来を考えてなかったから。
就ける仕事がないんだもん。考えないようにするさ。
歳を重ねて給料が上がる、そんな当たり前の社会、それを誰も構築してこなかった。
性別不一致系の平均寿命は40代なんです。
みんな死んでる。伴侶をもらって抜け出せるのはそのほんの一握り。老後に絶望してみんな死んでるんです。
おかしいでしょ。
そんなのおかしいでしょ。

どうしたら死なずにすむか。

普通の職に就いて、普通に出世する。
普通に、社会人をやる。結婚は出来なくたって、社会の一員になってる。
これが死なないコツだと僕は思う。


NEWTYPEはそういう目標があって始めた。
NEWTYPEには女装の未来がある。
普通の仕事をする普通の会社、そうなることで社会の仲間入りをするんだ。

今働いてる子達も歳を取る。
出来れば居たいだけ働かせてやりたい。でもずっと店舗に立ってるわけにはいかない。出来る子は上に上げていかないといけない。
そのためにどんどんNEWTYPEを大きくして、業務の幅、内容を増やして、普通の仕事を覚えさせないといけない。女装だけにこだわってたらクローズドコミュニティのままなのだ。
でも彼らはビジネスが得意じゃない。
好きなことばっかりやってきた結果が今の状態なのだから。
だから、ちゃんと真面目にスキームを組んでやって、社会というのはこーいうものなんだと知ってもらいたいんだ。
商売するって楽しい生きがいだと感じて欲しいんだ。





茶漬けの目標はね、




社会に、文化を認めてもらうことなんだ。



女装がどうやったら市民権を得るか、それを考えて行動してる。
文化が認められるには、「カリスマ」が必要だ。

例えばオタクという文化は以前は
全員ロリコンで性犯罪者予備軍だと思われてた。
でも「電車男」というカリスマコンテンツが日の目を見たことによって社会は「あ、この人たち意外と人間味あるじゃん」と認めだした。

例えばヒップホップという文化は以前は
全員ギャングで麻薬中毒者だと思われていた。
でも数々のヒップホップアーティストが日の目を見たことによって社会は「あ、この人たちオレの息子と似たようなもんじゃん」と認めだした。

例えばヴィジュアル系という文化は以前は
全員根暗で欝で悪魔信仰者だと思われていた。
でも「X」というカリスマの登場によって社会は「あ、この人達普通じゃん」と認めるようになった。

例えばアキバ系。以前は
全員引きこもりでニートだと思われてた。
でも「AKB48」が日の目を見たことで、「あ、この人達ちゃんと仕事してるんだ」と認めるようになった。


カリスマが必要なんだ。

だから茶漬けは出来るだけ大衆に触れる場所で「普通なんだ」と思わせないといけない。
大衆に接しながら、どんどん有名になって、常識人でなければならない。


茶漬けの恩人であるBONZINさんはこう教えてくれた。
「例えば俺達みたいなタトゥーピアスごりごりに入ってる奴らがさ、怖かったら社会に対して引かれすぎない?
だからオレは物腰はやらかいし、常識をわきまえてる。
凄いロッカーほどそれがわかってるから、沢山こうべを垂れるんだ。」


そういうこと。


なんか、今回の物件の騒動は、そんな茶漬けの野望を思い出させる、とても悲しい出来事だった。