Digital Guitar DG-20 | 勝手になんでもインプレッション

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こないだ、某中古機器販売店をふらついていたらジャンク楽器コーナーに見たことの無いようなサイバーなギターが置かれていた。



80S臭がプンプン漂うそのギターはプラスチックでできていて、意味不明なボタンがたくさんついていて、弦は1弦から6弦まで全て同じ太さの黒いナイロン弦が張られていてフレットはゴム?でできている。

極めつけにスピーカも内蔵されてる。

見た目はギターぽいけど違う楽器か?



そのギターに書いてあった名は『Digital Guitar DG-20』。メーカーはCASIO。

CASIOがギター作ってるなんて聞いたことがない。

安価キーボードのカシオトーンのギター版か?



80Sの真面目に馬鹿な事をしているテイストが大好物な僕はついつい衝動BUYしそうになるも、ここはグッと堪え店を後にした。



その後も「あのギターは一体なんだったんだろ?」と疑念が消えず調べてみると、やはり80年代の産物。
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1987年にCASIOから発売されたギター型シンセサイザーみたいなヤツらしく当事の定価は59800円といっちょ前な値段。

普通のギターみたいに弦の響きをマイクが拾って音を出すシステムでは無く、各フレットとブリッジ内にセンサーがあって[どこのフレットが押さえられて、どこの弦が震えたか]の要素で電子音を出すらしい。

なので、弦はチューニング不要でダルダルなテンションでも正確な音程で音が出るらしい。

一般的なギターシンセとは違って、普通のギターを弾く感覚では演奏できず、独特なコツが必要との事。

YOUTUBEにDG-20の達人たちの動画があったので見てみてけども、しょぼいスメルがプンプンしてた。





次の週末に店に行ってみて、まだ売れ残っていたら買ってみようと思い、先日またその店に行ってみたら当たり前のように残っていたから3000円で即購入。

このおもくそダサいサイバーギターのネックを握り締めて店内を歩いているとなんだか恥ずかしくて、エロ本を買う少年のようにそそくさと買って隠れるように車に乗り込んで帰り、近隣の住人に見られないように帰宅。
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これがそのギター。



そして早速試奏。

ってとこだけど、まず電源が必要。

9V850mAの電源アダプタか単1の乾電池6個で動作するらしい。

「単1を6個って、ラジカセかい!」って感じの80S臭も良し。



まあ今は単1乾電池は品薄なので、エフェクターの電源を外してそれを接続して電源ON。

そして適当に弦を弾いてみると、内蔵スピーカからファミコンのような音が出てくる。



期待を裏切らないショボイ電子音。
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音色はアコースティックぎたー・エレキギター・オルガン・三味線・ハープ等の20種類の中からセレクトできるけど、どれもなんとなくそんな感じっぽい音って程度のクオリティ。FM音源?

サスティーン/リバーブの効果もつけられる。



あとビックリな機能が、リズムマシンを内蔵しているところ。
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パターンはロック・ブルース・演歌・ボサノヴァなど12パターンでテンポも可変できるから好みのパターンに合わせてひとりで演奏ができる。

しかも、どのパターンもダサい。まあ、シンプルでオーソドックスなパターンだからしかたないか。

さらに、フィルインボタンでリズムに変化がつけられたり、4つのパッドでシンバル・スネア・タムが自由に叩けたりする。

でも、いつ叩くんだろ。。叩くとリズムマシン一旦止まるし。。。






問題の演奏性。

ネットで「まともに弾けたもんじゃない」くらい言われていたから覚悟してたけど、1ミリも期待してなかっただけに思ったほどの悪さじゃなかった。

こーゆー楽器だと思えばってゆーレベルだけど。


演奏性が悪いと言われる理由は
まず、音が[どこのフレットが押さえられて、どこの弦が震えたか]でしか検知されないからピッキングの大小のニュアンスは出せない。音が[出る]か[出ない]のどちらかだから、ある程度しっかりピッキングしないと鳴らない時がある。

もちろんミュートの有無なんて見ていないからブラッシングやブリッジミュートや小気味良いカッティングなんかもできない。

普通のギターのつもりでブラッシングなんかすると開放の音がビーンとなってしまう。

ミュートしたい時は一応ミュートボタンがついてるから、伸びた音を止めたい時はこれを押す。


ネック強度の劣化によるものかもしんないけど、弦高が高過ぎて弾き辛い。普段から弦高は高めのセッティングな自分でも少し下げたいくらいだけどブリッジ調整はもちろんない。


それから、弦がダルダルたから ピッキングの感触も弱くてレスポンスが悪い。
弦のテンションの調整ができるみたいだから、もう少しテンションを強くしたらネックがしなって弦高が更に高くなる始末。


まあ不満ばかりを書き連ねちゃったけど、結構弾いてて楽しくて気付けば長いこといじくったりしてた。


LINE出力端子やフットペダル端子やMIDIの出力端子を持っていたりで真面目に作られた商品なんだろうけど、楽器としてはかなり不完全な商品かな?

ギターをかじった経験がある大人が遊べるおもちゃとしてはなかなか楽しめるものかも。