バッハ・コレギウム・ジャパン
《マタイ受難曲》

4月15日&16日: 東京オペラシティ
4月17日: ミューザ川崎

3日連続の受難節公演…誰一人欠けること無く、全て終えることが出来ました。
一緒に会場で過ごして下さった皆様、有難うございました。






私は昨年と一昨年に続いて、イエス役という大役を仰せつかりました。
イエスが十字架につけられたのがおおよそ33-35歳という年齢とされているだけに、それに沿うリアルなイエス像をこれまでは追求してきましたが、
今回の《マタイ受難曲》では音楽をより追求することで今までとは違うイエスに出会えた気がします。



今回は長い時を経て、ようやく国外からもソリストが来日出来るようになった事も嬉しい変化でした。
久しぶりに英語を使う脳も働き、実に刺激的。

ドラマティックであり、かつ真摯に言葉を紡ぐThomas、
そして実に美しいカウンターテノールのBennoとの新たな出会い。


久しぶりの再開となったソプラノHanaは、このコロナ禍で日本語の勉強に励んだらしく、それはそれは見事な日本語で話しかけて来てくれました。
久しぶりに聴く歌声も限りなく澄み切ったもので、アリアを聴くといつもステージ上で自分がパフォーマンスをしている事を忘れてしまうくらいです。





受難節を終え、

改めて新年度が始まった感覚です。

これからもBCJと共に、受難節には受難曲を歩んでいけますように。






最後に、

こうして受難曲を演奏し、音楽に満たされていると、

何故人間は2000年も経った今も、戦争をしなくてはいけないのだろうと…改めて悲しい思いにも満たされます。

この世界から戦争が無くなることを心から願います。