9日の水曜日にいつもの平日ゲーム会のメンバー3人にSeekerさんを加えて4人で自宅ゲーム会を開きました。

 参加者はSeekerさんの他にsnowjamさん、りこさん、そして私はとの4人。


 12月でしたが4人でゲームをしていると室温は充分で結局暖房器具は使わずに済みました。


晴耕雨読

・“ファクトリーマネージャー”(2F)

 鬼才フリードマン・フリーゼによるエッセンの新作。


 プレイヤーは工場長となって収支を管理し、最も利益を得たプレイヤーがゲームに勝利します。


 各工場に与えられた7人の労働者という制限により、手番順をめぐる競りから各種タイルの仕入れ、設備投資というひとつのラウンドが終始一貫した太い流れを作っているのがまず大きな印象として残りました。


 ランダム要素が非常に小さく、ほぼ数字が全ての極端にシビアな世界は好みが分かれるかもしれません。

 私もプレイしていて息が詰まりそうな感覚を受けました。


 ただ自分の工場を少しずつ成長させていく楽しみと、ないようで実は大きく存在するインタラクション、高い収束性(時間あたりの密度の濃さ)等々流石は定評あるフリーゼの作品だけのことはありますね。


 一枚一枚のタイルに個性がありますし、経験が実力に反映される好タイトルなので再プレイの欲求は高いものがあります。


晴耕雨読

・“グリード、インコーポレイテッド”(スプロッタ)

 オランダの孤高のゲームメーカー、スプロッタ社のエッセン新作。


 プレイヤーはまず一会社のCEOとしてゲームを開始するのですがタイミングを見計らって辞職し退職金を得ることで個人の財産を増やし、さらにステータスシンボル(これがいわゆるVP、勝利点となる)を手に入れることで最終的に勝利者になることを目指します。


 会社と個人を区別する、いわゆる18xxやインペリアル等々と同様のシステム。


 大切なのは会社に未練は一切必要ないということで、必要なのはステータスに対する飽くなき追求だということ。

 ただ初回プレイからそこまで理解していたプレイヤーは1人もいなかったようで、会社の収益は伸びていくのですがステータスはほとんど動かなかったので全体的に稚拙なプレイだったと言わざるを得ないのが今回のセッションだったのではないでしょうか。


 競合さえしなければ安くステータスを手に入れられるわけですし、またステータスの存在意義も理解できます。


 プレイヤーにある程度のスキルを要求しますが、これまた純粋に良質な本格経済ゲームの誕生を歓迎したいところです。


 インスト込みで3時間で終了。これも是非とも再プレイしてみたい一作。


晴耕雨読

・“ワードバスケット”(メビウス)

 日本語を使って大人がガチになるゲーム。


 ルールはシンプルながら競技性高いですねー。

 負けると非常に悔しいですし、勝つまでやりたくなるという。


 “ついで”が駄目なのかどうか、いまだにすっきりしていませんが…。


晴耕雨読

・“FBI”(ファランクス)

 クラマーによるカードゲーム。


 ラウンド開始時、まずは自分の場札をプレイすることで手番順を決定します。次に手札から今回のラウンドで使用するカードを2枚選びます。一番高い点数のカードを捨てたプレイヤーからカタンの初期配置方式で全員が合計2回の手番を行い、高い点数のカードを手に入れることを目指します。


 シンプルなルールながら悩ましく、流石はクラマー。


 カードの配置によっては全員の狙いが簡単に決定してしまうこともありますが、高得点のカードが思わぬところで残ってしまったりするのがこのゲームの素晴しいところ。


 秀逸ですね。これは欲しい。絵柄がアレなんで損していますがゲームは一級品。未プレイの方は是非ワンプレイを。


晴耕雨読

・“ディクシット”(リベルド)

 もはや定番ゲーム。今回は4人ディクシット。


 個性が出るのはいいとして、独りよがりでは勝てませんね。大事なのは他のプレイヤーのココロを読むことかも。


 あとお題については一切の言及なしということを厳密に履行したほうがいいかも。


 まあでも面白いゲームです。今回も大盛り上がり。


 印象に残ったのは“世界の中心で愛をさけんだけもの”、“日本ファルコム”、“ヘッジホッグ”等々。


晴耕雨読

・“ハリネズミの追いかけっこ”(ツォッホ)

 年間子供ゲーム大賞作の廉価リメイクバージョン。


 単純な記憶系ゲームなんですがたった12枚のタイルを覚えるのがこれほど難しいとは…。


 ルールを読んだ段階では面白いのかどうか疑わしかったのですがプレイしてみて納得。さすが大賞を取るだけのことはありますね。


 遅々として進まぬ男性陣3人を怒涛の勢いで追い抜いていったりこさんが勝利。


 これも再プレイ希望。


晴耕雨読

・“マスターズ・ギャラリー”(グリフォン)

 名作モダンアートの競りなしカード版。


 セッション中は非常に面白く流石はクニツィアとも思ったのですがよく考えてみたら2枚出せる特殊カードがきた人があまりにも有利すぎる気がするのですがどうなんでしょう。


 この説を覆せないかぎり僕の中では永遠に単なる運ゲー。


 多数の名画は美しいですし、面白いことは面白いのですが。


晴耕雨読

・“スチーム・バロン”(ツリーフロッグ)

 そしてこのゲームで〆ました。りこさん退出で3人。


 ワレスの代表作“蒸気の時代”のリメイク“スチーム”に株(と会社)の要素が加えられました。


 運搬力の制限がなくなったり“蒸気”に比べれば厳しさは緩和されていますがやはりシビアでカツカツなバランスが素晴しい。


 キューブの配置をよく考えた上での将来的な見通し、そして当然ながら他会社の動きなどを見極めた判断が要求されます。


 結果的には完敗でしたがシステムを理解できると俄然プレイ欲求が募りますね。


 ひとつひっかかったのが毎ターンのプレイオーダー決定が単純なランダム制だったこと。この点は歴戦のプレイヤーに受け入れられるのでしょうか。高すぎる競技性を緩和して間口を広めようとした狙いは理解できますが。


 いずれにせよフリークの期待を裏切らない、完成度の抜群に高い鉄道ゲームだと思います。“蒸気”と株の相性は悪くなかったです。これも是非とも再戦したい一作。


 この他“ロールシャッハ”、“勝つのは誰だ”をプレイ。


 非常に楽しい一日でした。迎撃された一日でもありましたがw


 参加していただいた御三方には感謝しております。また機会がありましたら是非開催いたしましょう。