7月8日の日曜日に自宅ゲームスペース“UDA(雨読庵)”にて自宅ゲーム会を開きました。


 前日、前々日には激しい雨となった福井ですがこの日は終日曇りで雨は降らず。エアコンも使用せず、窓を開放しつつ一日ボードゲームを楽しみました。


晴耕雨読


 まずはこのタイトルから。先日こちらのブログ記事でも取り上げた“リシュリュー”です。


 宰相リシュリューと外国をふくむその周辺の政争をテーマとする、権謀術数渦巻く心理戦が存分に楽しめる中量級ボードゲームです。


 手番になったら4つのアクションから1つもしくは2つ(各プレイヤーの勝利点に拠る)を選択します。


 メインになるのは3つある陰謀ボックスへの工作員の配置で、-2、1、2、3の4種類の工作員マーカーのうちひとつを裏向きで配置するアクション。


 各陰謀ボックスはリシュリュー側と敵対勢力側に分かれており、各ボックスでいづれかの側が工作員マーカーで埋まればすべてを表にし、勝敗を決します。


晴耕雨読


 シンプルながらテーマとシステムが実に見事に融合しており、セッションの間はプレイヤー間の腹の探り合いから濃密な心理戦が十分に楽しめました。


 陰謀ボックスの解決のため表にされた工作員マーカーは“街”に置かれるので、ここでの情報が各種判断をする上での大きなヒントになるのもまたよくできたメカニクスだなー、と。


 序盤にて収入レベルを上げることができた私が金満プレイで勝利できました。


 プレイアビリティも高く、慣れてくれば60~90分で十分収束しそうですし、再戦を希望しております。


晴耕雨読


 つづいて最近繰り返しプレイしている米国TMG社の傑作“ホームステッダーズ”。


 第二版になって見違えるほどコンポーネントの質が良くなった大好きなタイトルをこの日もプレイしました。


 全10ラウンド、競りで土地を購入し、購入した土地に必要なリソースを払って建物を建設、その建物に労働者を派遣することで更なるリソースを得ていく拡大再生産のゲームです。


晴耕雨読


 登場する建物はデフォルトで決定されていながら、競りによるコストの決定などもあってセッションの度に展開が異なり、多彩な勝ち筋が用意されているので、決定的な攻略法は存在せず、展開を理解した柔軟な選択が要求されるところが本作の魅力のひとつではないでしょうか。


晴耕雨読


 序盤で鉄の生産がほぼ絶望的となり、Tチットの入手も困難な様相で焦りましたが、とにかくTチットの供給源確保を第一に方針を修正。労働者は充分だったので、2人の労働者で4点を叩き出す建物に毎ラウンド2人を配置し勝利点の量産に成功。


 建物ボーナスも相互に上手く発生させることに成功しトータル59点で勝利しました。


 最近プレイしていた経験の差が出たのが実は最大の勝因でしょうねw それから巷間で言われているようにこの2人4点建物はやはり強い印象。


 まだまだ研究の余地が残されているとも思われ、なにより面白いので今後も末永くプレイしていきたいタイトルです。


晴耕雨読


 昼食休憩の後、本日のメインその1“ソロモンの王国”を立卓しました。


 米国ミニオンゲームズ発のオーソドックスなワーカープレイスメント。


 配置、処理、売買、建設の4つのフェイズからなるラウンドを繰り返し、終了条件が満たされたらゲームは終了します。


晴耕雨読


 アートワークのB級ぽさ、またアメリカのゲームであるという個人的偏見から多くを期待していなかったこのタイトルでしたが実際のセッションで予想を上回る面白さが堪能でき、もっと早く本作をプレイしていればよかったと思いました。


晴耕雨読


 マップ上の各エリアにワーカーを配置することで各種リソースが入手できるのですが、このエリアを“道”で接続することで、接続されている各エリアのリソースが一括して入手できる、というのが本作の最大の特徴のひとつです。


 この点を最大限に利用できたプレイヤーが勝利に大きく近づけるのではないでしょうか。


晴耕雨読


 しかし対抗策も用意されており、“神殿”の建設に寄与することで“高司祭”となったプレイヤーは他プレイヤーの建物(リソース供給の源)を利用でき、これまた大変に強烈な効果を持っています。


 本作はこの2つの方針のせめぎ合いがセッションを熱くすると同時に、大きな醍醐味をもたらしてくれるような気がしました。


 じつに明快、ストレスのないすっきりとした爽快なプレイ感が実に心地よかったセッションでした。同じWPをシステムの中心に据える、先日プレイした“バヌアツ”の重苦しさとなんとも対照的です。あちらが重苦しい、暗雲たれこめる冬の北陸なら本作はからりと乾燥した晴天が続く冬の関東地方でしょうかw(いや誤解ないよう付言しておきますがゲームとしての出来の良さは両タイトルとも甲乙つけがたいですよw)


 セッションは残念ながら1点差で惜敗(166点と165点)。再戦で熱いセッションをもう一度堪能したいものです。


晴耕雨読


 そして本日のメインその2“江戸”の登場です。


 手番では3つのアクションを選択し、その順番も考えてセッティングしたら、あとは各プレイヤーが順番に実行していくだけです。ようはアクションプロットが本作のメインのメカニクスと言えます。


 がこのプロットが実に悩ましいのです。


 アクションは1枚のタイルに4種存在しており、この中からひとつを選択するので他の3つのアクションは同時に選択することはできません。このようなタイルが3枚あるので計3アクションとなります。


晴耕雨読

 各アクションの処理はシンプルなものながら、盤面の状況や他のプレイヤーの選択もあって、自由にプロットできるにも関わらず(またほぼ制限なく実行できるにも関わらず)、プロットした後で後悔することしきりの実に悩ましいゲームで、ファミリーゲームとは言えないな、とは思えました。


 判断を困難なものとする情報量の多さから私は“ヘルべチア”あたりを想起したりも。


 よって最初のハードルはやや高いものがあるとは思いますが、セッション後の再戦意欲はこの日一番で、まずは1回プレイしておおまかに理解できれば完成度の高い、やり応えのある良作のもつ醍醐味を味わえるようになるのではないかと思ってます。


 ただひとつ気になるのは敷居の高さからくるインタラクションについて。プレイヤー間の読み合いや駆け引きがあってこその本作だと思うのですがそこが十分発生するかどうか、ここは今後のリプレイで検証していきたい点のひとつですね。


晴耕雨読


 この後は残ったふたりで国産同人二人用を2タイトルやりました。まずは“7th Night”。


 実にシンプルなシステムながら短時間でしっかりと駆け引きが堪能できる秀作。


 4枚取れるとばかり思っていたのですが、判断というか読みを誤り、3対3のタイブレイクで7のカードを取られていた私の敗北。


 角丸スリーブなんて見たことないですね。


晴耕雨読


 カワサキファクトリー“ノーラックポーカー”。このタイトルでこの日のゲーム会を〆ました。


 今年のGM新作国産同人もかなりのタイトルをプレイしましたが個人的には本作がベストではないかと思っています。


 4枚支給されるプラス1のチップの使いどころや“いかに負けるか”(つまり“いかに次のラウンドにつなげるか”)考えなければいけない点がもう素晴らしいとしか思えません(笑)。


 経験の差から圧勝。


 二人用アブストラクトにおいて国産同人タイトルには本作以外にも優れたものが多いことも付記しておきましょう。



 以上にて自宅ゲーム会を終了しました。この日は新作の初プレイが多かったのですが当たりが多く、今後プレイを重ねたいタイトルばかりでした。


 参加していただいたみなさまには感謝。また一緒にゲームを楽しみましょう。ではでは。