こだわり?・・・・・・とらわれ!?

発達障害のことを知るにつれて、感じることがあります。この障害が研究された初期に、医師や専門家にも誤解されていたがゆえに、未だに、一般社会に判り難かったり、誤解を招くような用語が多いように思うのです

たとえばそもそも「自閉症」という名称や、「こだわり」という言葉にも、僕はそれを感じるのです。 「自閉症」という名称であるばかりに、単に「引きこもり」や「内向的」であることと混同されたり、自ら、社会に背を向けて自分の殻に閉じこもっているように誤解されたり。


さて、発達障害の特性として、「三つ組」は基本中の基本です。今更書くまでもないことですが、「社会性の障害」「コミュニケーションの障害」、そしてかつては「こだわり行動」と言われていました。今は、常同行動や習慣性を好む「こだわり行動」は、「感覚過敏」や「想像性の障害」が原因であることがわかってきて、3つ目を「想像性の障害」とすることが多くなっているようです。

さて、発達障害のことを余りよく知らない人に「こだわり」というと、いわゆる「プロフェッショナルが極めた技術」のように解釈されてしまうことが多いようです。世間でよく使われる例で言うと、「シェフこだわりの味」とか「こだわり職人の成せる技」といった使い方です。

しかし、実際発達障害の「こだわり」はこれとは全く違うものですよね。
ある人はそれを「とらわれ」と言い換えているが、僕もこの方が実態に近いように感じます。
つまり、自ら好んで極めたわけではなく、望んで固執しているわけでもない。そうせざるを得ない実情があるから、そうしている・・と言う実態からすると、むしろ「とらわれてしまっている」という言い方もあると思うのです。



想像性の障害があるがゆえに、見通しのもてない状況を嫌い、習慣性を求める行動。これも、あたかもその「習慣」にとらわれてしまっていると、表現した方が世間には判りやすく伝わるように感じるのです。あるいは、「気分の切替えの困難」や「認知特性から、局所に執着する」ことによって起こる「こだわり」もまたそう。



ここで、発達障害の認知特性を少し踏み込んで分析していきます。そして、「こだわり」という用語が似つかわしいのかを考えてみたいと思います。


まず定型発達の認知特性では、例えばひとつの絵を見たとして、まずその全体をざっと見回し、そもそもその絵が何を表しているのかを認識する。その上で、再度細部を捕らえなおして、その詳細も認識するのだそうです。もちろん、個人的な性格や気質・また知識・能力差はありますが、基本的なプロセスはこのようになことが、オートマティックに脳内処理されているそうです。。

しかし、発達障害の認知パターンはこれとは異なります。まず、その絵を見ると、その中の何かに意識は集中します。「気になったものに執着してしまう」と言っていいかもしれません。しかも、そこから次に意識を移すのに困難をもつ人もいます。結果的に、その絵の全体像を掴んで認識するとなると、かなりの困難になる人もいる。

「木を見て、森を見ず。」・・・・よくこういう例えであらわされていますよね。。もっと言えば、「木も見ず、葉の葉脈にとらわれる」ことすらあるようです。森を見たときに、その中の葉の一枚の葉脈の模様に認知はとらわれ、それが森の一部であることを認識するのに時間を要するとしたら・・・・・・・、これは極端な例であり、発達障害の認知にも個人差はありますが、こうしたプロセスが根底にはあるようです。

この場合も、細部にピンポイントに「とらわれてしまっている」と表現した方が、一般の人にはわかりやすいと思いませんか?

「自閉症」という名称が、引きこもりや内向的な性格と誤解を生みやすいように、「こだわり」という名称が、本人が好んで固執しているように誤解を招くこともあるのだと思うのです。 こうした用語をより実態に近づけることも、発達障害の社会理解を深める為には、必要なのではないかと、思ったりするのです。


「名称を変えるなんて、そう簡単にはいかないだろう」・・・・と言う方も居るかもしれません。しかし実際、「精神分裂病」は「統合失調症」と変更されています。これも、「精神が分裂している!?」という世間からの印象の悪さも、一因であったように聞いています。「自閉症」という名称にもその可能性を、あきらめる必要はないと思うのです。


皆さんどう思われますか?
ちょっと、今日の記事は、言葉の説明ばかりで判り難い方もいらっしゃったかもしれません。
次は、もう少し具体的に説明をして見ます。

では、今日はここまで。


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